米国の対中AIチップ規制について、NVIDIA 創業者兼CEOのJensen Huang(ジェンスンフアン)氏は「失敗だった」との見解を示したという。むしろ、Huaweiなど中国企業が自社で開発する動きを加速させたためだ。

「中国企業は米国の輸出規制により闘志が生まれる」

台湾で5月19日~23日まで開催中の「COMPUTEX」で、Huang氏は米政権のチップ政策についてコメントした。

政策により、NVIDIAはAIチップを中国市場で提供できない。フアン氏は「中国でのNVIDIAのシェアは4年前の95%から50%程度に縮小している。しかし、中国にはNVIDIAがなくてもたくさん地元の技術がある」と述べたという。

また、同氏は「中国のAI研究者は自国のチップを使うだろう。(それは)2番目に良いものだ。中国企業は意欲的で、米国の輸出規制により闘志が生まれ、政府支援の下で開発が加速している」と指摘。

トランプ政権は先に、バイデン前政権が予定していた「AI拡散規制(AI Diffusion Rule)」を撤回したが、この規制についてフアン氏は「(規制の)根本前提に欠陥があることが証明された。米国が優位を保ちたいのであれば、拡散を制限するよりも最大化し、加速する必要がある」との意見を示した。Financial Timesが5月21日付で報じている。