三菱重工業は、H-IIAロケット50号機による温室効果ガス・水循環観測技術衛星「GOSAT-GW」の打上げ日を6月24日に決定した。打上げの予定時間帯は午前1時33分03秒~午前1時52分00秒で、予備期間は6月25日~7月31日。種子島宇宙センター 大型ロケット発射場から打上げる。

  • H-IIA50号機のコア機体。「H-IIA最終号機完了記念」のパネルと共に、愛知・飛島村にある飛島工場で2024年報道公開された

H-IIA(H2A)50号機は既報の通り、日本の基幹ロケットとして2001年の初号機打ち上げから20年余りにわたって運用を続けたシリーズの最終号機で、コア機体の両サイドに固体ロケットブースタ(SRB-A)2本を組み合わせる、「H2A202型」と呼ばれる形式で構成する。

  • 50号機は開発時点で「どの衛星が引き当てられても対応できるようにする」(三菱重工)ため、実はSRB-Aを4本取り付けられる“204仕様”で製造している

50号機が宇宙へ運ぶのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や三菱電機らが開発した、温室効果ガス・水循環観測技術衛星「GOSAT-GW」。宇宙から二酸化炭素やメタンといった温室効果ガスを観測するGOSATシリーズの3番目の人工衛星で、2009年打ち上げの「いぶき」(GOSAT)、2018年打ち上げの「いぶき2号」(GOSAT-2)の後継機にあたる。

H-IIAは2001年の初号機打ち上げ以来、日本の基幹ロケットとしてさまざまなペイロードを宇宙へ送り届けてきた。これまでに計48機を打ち上げており、成功率は約98%。50号機をもって退役し、H3にその役割を引き継ぐ。

  • 50号機が宇宙へと運ぶ、温室効果ガス・水循環観測技術衛星「GOSAT-GW」の概要と諸元