Infineon Technologies(インフィニオン テクノロジーズ)は、ドイツ連邦情報セキュリティ局 (BSI)と共同で、同社のセキュリティコントローラ(セキュアチップ)への耐量子計算機暗号(PQC)アルゴリズムの実装で、「コモン クライテリアEAL6」の認証を取得したことを発表した。

量子コンピュータの進化により、将来は従来型の暗号アルゴリズムが解読される可能性が指摘されている。その一方で、現在発行され、何年も有効なeIDのようなドキュメントは、そうした量子コンピュータによる将来の攻撃に対する耐性が必要とされているほか、暗号化されたメッセージや電子メールなども、そうした将来の攻撃に備えることが求められるようになってきているという。

ポスト量子鍵カプセル化機構の一種であり、格子問題の硬度とモジュールの代数的構造を組み合わせることで、安全な鍵の確立とカプセル化を実現する「Module-Lattice-Based Key Encapsulation Mechanism(ML-KEM)」のような耐量子計算機暗号アルゴリズムは、このような攻撃に耐えるように設計されているとされ、今回の同社の取り組みは、そうした将来の攻撃に耐えるように設計されていることを示すもので、デジタルインフラの完全性の強化につながるものとなるとする。

また、BSIのClaudia Plattner(クラウディア・プラットナー)総裁は、「BSIは、ファイルやアプリケーションを長期的にセキュアなものにするため、耐量子計算機暗号への移行を一貫して支持し、要求している。したがって、日常的に数多く見られるアプリケーションにも耐量子安全性を持つIT製品が利用可能になることは、非常に画期的なこととなる」とコメントしているほか、国際的なコモン クライテリア規格は、IT製品やシステムのセキュリティに関するガイドラインと基準を設定し、国際的に認知されており、今回の同社のPQCアルゴリズムの安全な実装をコモン クライテリアEAL 6が認証したことで、BSIとして量子コンピュータ攻撃だけでなく、フォールト攻撃のような古典的な攻撃に対する耐性の重要性も強調。認定を受けたセキュリティコントローラは、高性能処理と高度な暗号機能を組み合わせ、耐量子計算機暗号のための堅牢な基盤を提供するものだとも説明している。

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