先日、年次カンファレンス「Data + AI Summit 2024」を米サンフランシスコで開催したDatabricks(データブリックス)。その中で、分析・インサイトを企業内の誰でも利用できるようにすることを目的に、新しいタイプのBI(ビジネスインテリジェンス)製品「Databricks AI/BI」を発表した。本稿では、同製品の説明を行った米Databricks Sr. Director, Product ManagementのKen Wong氏の話を紹介する。

  • 「Data + AI Summit 2024」で新しいタイプのBI製品「Databricks AI/BI」がアナウンスされた

    「Data + AI Summit 2024」で新しいタイプのBI製品「Databricks AI/BI」がアナウンスされた

既存のBIツールが抱える問題

登壇するなり、Wong氏は「ダッシュボードとBIレポーティングの根本的な問題は、さまざまな質問を行い、答えを出すために多くのものを構築しなければならず、結果としてゴチャゴチャしてしまい、視認性が良くありません。ここ数年、AIを用いてこうした課題を解決していこうという流れがあります」との認識を示す。

  • 米Databricks Sr. Director, Product ManagementのKen Wong氏

    米Databricks Sr. Director, Product ManagementのKen Wong氏

同氏が指摘するように、昨今のBIツールはレポートやダッシュボードを通じてデータへの基本的なアクセスを可能にはするが、あらかじめ回答がプログラムされた特定の質問にしか対応ができない場合がある。

しかし、実際のデータやビジネスにおける状況の変化は常にユーザー側に新たな疑問を呼び起こすため、これを理解するためにデータサイエンティスト・アナリストの専門知識が必要になっている。

こうした問題を解決することを目的に、近年のBI業界は生成AIに着目し、従来のBIスタックにLLM(大規模言語モデル)を追加しているが、こうした試みは大半が失敗に終わっているとの見立てだ。

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