三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2023年9月7日8時42分11秒、JAXAの「X線分光撮像衛星(XRISM)」および「小型月着陸実証機(SLIM)」を搭載したH-IIAロケット47号機の打ち上げを鹿児島県の種子島にある種子島宇宙センターにて行った。

  • 種子島宇宙センターの射場から離昇するH-IIAロケット47号機

    種子島宇宙センターの射場から離昇するH-IIAロケット47号機 (提供:大塚実)

今回の打ち上げは、2023年3月に行ったH3ロケット初号機の打ち上げに失敗してからの、日本としてのロケット再開フライトとなる。H3ロケット初号機で問題となった第2段はH-IIAとも共通部分が多く、共通する部分への対策を施すことで今回の打ち上げ実施となった。そうした意味では、次のH3ロケットの打ち上げ成功に向けた一手という意味合いも含まれている。

なお、打ち上げ約14分後にはXRISMを高度550kmの円軌道に投入するための分離に成功。この後、第2段エンジンの2回目の燃焼を行い、打ち上げ後約47分にSLIMを分離し、遠地点約10万km、近地点約600kmの長楕円軌道に投入する予定となっている。XRISMは、X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)という位置づけで、ひとみで起こった事故に対する対策などが施されている。一方のSLIMは月への高精度着陸技術の実証を目指した実証機。2台の小型ローバー「LEV」を搭載しており、その内の1台(LEV-2)がタカラトミーなどが開発した「SORA-Q」となる。SORA-Qは量産バージョンとなる「SORA-Q Flagship Model」が9月2日に発売されたばかりとなっており、月に向かったSORA-Qとほぼ同じ仕様の機体で遊ぶことが可能となっている。