名古屋大学と岐阜大学を設置している「東海国立大学機構」は5月26日、「知とイノベーションのコモンズ」としての環境整備を推進するために、「東海機構コモンズ債」という100億円規模の独自の債権を発行し、教育研究面でのインパクト(アカデミック・インパクト)と社会課題解決へのインパクト(ソーシャル・インパクト)を実現する資金獲得に向けて準備を進めていると公表した。この、「東海機構コモンズ債」については、東海国立大学機構の松尾清一機構長名で公表された(図1)。

  • 松尾清一 東海国立大学機構長

    図1 松尾清一 東海国立大学機構長 (同機構Webサイトから引用)

この「東海機構コモンズ債」は「第1回国立大学法人東海国立大学機構債券」(愛称は東海機構コモンズ債)と呼び、 ESG債区分ではサステナビリティボンド(評価機関:格付投資情報センター)になる。発行額は100億円で、期間は20年で、利率は1.187%/発行価格は100円となる。東海機構コモンズ債権の概要を表1に示す。

  • 東海機構コモンズ債の概要

    表1:東海機構コモンズ債の概要 (東海国立大学機構の発表資料から引用)

今回、この「東海機構コモンズ債」を発行する目的は、国立大学の名古屋大学と岐阜大学が協力して東海国立大学機構を2020年に設けて3年経ち、「地域創成への貢献と国際競争力の強化」を同時に成し遂げるために教育、研究、社会連携、国際展開、起業家・スタートアップ育成などで、大きな成果を上げてきたからと分析する。この3年間の大学法人としての基盤固めを経て、これからは社会課題の解決とウェルビーイングの実現のために貢献する「知とイノベーションのコモンズ」実現に向けて進んでいく方針だ。これを実現するために、その運営資金の1つとして「今回、100億円規模の『東海機構コモンズ債』を発行し、その推進のための原資とする」と説明する。

東海国立大学機構は、東海地域について、「これまで世界有数の製造業集積地として日本の経済を支えるとともに、豊かな地域社会を形成してきたために、今後の経済発展への極めて大きなポテンシャルを持っている。この東海地域が未来にわたり、深刻な社会課題を解決しながら人間中心の先進的な地域社会モデルを世界に提示できるように推進している構えだ」とし、ミッションの達成に向けて果敢にチャレンジしていくと宣言している。