SAPシステムの導入を中心に活動してきたNTTデータ グローバルソリューションズ(GSL)は2月21日、今後の事業戦略と不足するSAP人材の確保、育成向けた新たな取り組みについて説明した。

同社は2012年にNTTデータの中のSAP事業を行う部署や関連会社を統合し、SAPソリューションをワンストップで提供するための専門組織として設立。昨年、10周年を迎えた。

同社の特徴について、代表取締役社長 磯谷元伸氏は、「SAPについて豊富なメニューがあり、優秀なコンサルタントを用意している点が弊社の優位性だ。また、グローバルにおける現地サポートが最大の特徴だ。SAPさんからもグローバルでサポートできるパートナーとして評価されている」と語った。

NTTデータ グローバルソリューションズ 代表取締役社長 磯谷元伸氏

同社は、SAPを基幹系システムだけでなく、DXという文脈の中で業務システムを変革・高度化するツールとして再評価されたことや、中堅・中小企業への広がりで成長してきた。

磯谷社長は、「今後、オンプレミスのSAP S/4 HANAとともに、SAP Business ByDesignやSAP HANAのパブリッククラウドをニーズに応じて提供してきたい」とし、クラウドにも力を入れる姿勢を示した。

SAPは昨年、中堅・中小企業向けの販売は100%パートナー経由で行うことを明らかにしたが、この点について磯谷社長は、「間接販売を開始したことにより、SAPさんからの当社への期待は高いと感じている。中堅・中小企業もグローバル化している。グローバル拠点でのサポートができる会社はそれほど多くない。その点が期待されている」と、SAPの戦略が同社の追い風になっていると述べたほか、クラウドの支払い形態が、中堅・中小企業でも導入しやすい価格体系になったと感じているとした。

次の10年に向けては、「2025年の崖に向け、基幹システムのクラウド化はギヤチェンジしていくだろう。単に既存システムの置き換えだけでなく、経営判断の迅速化、見える化をしたいというお客様が増えている。日本企業は次のフェーズに入っていくべきだ。それに向け強固な基幹系システムと連携したDXソリューションを支援していきたい。それに合わせて、ソリューションのラインナップを増やしていく。社名のとおり、グローバルソリューションの会社に進化していきたい」と、SAPの導入により基幹システムの最適化を行った企業に対して、DXを推し進める周辺ソリューションを提供していく考えを示した。

  • 今後はSAPを中核にした周辺エコシステムを拡張

そして同氏は最後に、次の10年に向けた「One Team,One GSL」というスローガンを紹介し、「これにはチームで力を発揮すれば、お客様により愛される、社会により愛されるGSLになれる」という願いが込められていると説明した。

GSL大学を外部にも提供

また同日は、同社の人材育成についての新たな取り組みも説明した。

同社 HRDセンター センター長 大村友介氏は、最近のSAP経験者の採用激化が組織における成長の鈍化や既存社員の流出リスクを発生させ、看過できない重大な経営課題となっていると説明。これを解決するため同社は、企業内大学であるGSL大学を2019年10月に開校した。

  • 2019年10月、GSL大学開校

同大学は主に研究室活動と社内公開講座で構成。研究室は、部門やプロジェクトで培った知識や現場知を組織横断で伝授することを、社内公開講座は、上級コンサルタントの知見や各部門のソリューション事例などを共有する場として位置付けているという。

同大学は社内向けのインナーブランディングを行うために設立したが、今後は、アウターブランディングにつなげるため、大学等の教育機関に対してSAP人材創出を目的とした講義を提供するという。すでに、専修大学や情報経営イノベーション専門職大学(iU)への講義提供が行われている。

また、同大学では採用したSAPビギナーの育成や社内のキャリアチェンジに対応するため、昨年、SAPトレーニングセンターを開設したが、今後は、NTTデータやそのグループ各社、およびビジネスパートナーに対してSAP人材創出サービスを提供するという。

  • SAP人材創出サービスを外部にも提供