東京理科大学(理科大)は11月17日、ジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)合金をベースとした炭素繊維強化超高温セラミックス複合材料(C/UHTCMC)を開発し、特性解析を行った結果、2000℃以上の超高温にも耐えられることを確認したと発表した。
同成果は、理科大大学院 工学研究科 機械工学専攻の小出士純大学院生、同・大学 工学部 機械工学科の井上遼講師、同・大学 先進工学部 マテリアル創生工学科の新井優太郎助教、横浜国立大学大学院 工学研究院 システムの創生部門の長谷川誠助教、物質・材料研究機構の構造材料研究拠点 接合・造型分野 構造用非酸化物セラミックスグループの西村聡之博士/グループリーダーらの共同研究チームによるもの。詳細は、エンジニアリング材料構造・特性・用途などを扱う学術誌「Journal of Materials Science」に掲載された。
炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)は軽量で耐熱性のある材料として、スペースシャトルや極超音速機の部材に使用されてきた。しかし、高温環境下での耐酸化性が低く、用途が制限されることが課題となっていた。
また、超高温セラミックス(UHTC)と炭化ケイ素の複合材料(ZrB2-SiC、ZrC-SiC、ZrB2-ZrC-SiCなど)は、1700℃以上の高温でも優れた耐酸化性や耐熱性を示すことが知られていた。しかし、ケイ素を含む化合物をベースとした複合材料は、超高温環境下では共晶の形成やケイ素を含む化合物自身の酸化によって、材料が劣化してしまうという課題を抱えていたという。
そこで研究チームは今回、超高温環境下でも劣化しない新規材料として、ZrとTiを主成分とするC/UHTCMCに着目し、その有用性の評価を目的として研究を進めることにしたという。そして、異なる合金組成で製造された3種類のC/UHTCMCsに対して、アーク風洞試験、表面分析、熱力学的解析を実施し、その特性を評価することにしたとする。