天地人は11月2日、月食シミュレーション機能も搭載している、宇宙ビッグデータを活用した月の分析が可能なPC用(ブラウザはGoogle Chrome推奨)土地評価エンジン「天地人コンパス MOON」の無料・アカウント登録なしでの提供を開始したことを発表した。

もともと天地人コンパスは地球が対象で、地球観測衛星のをはじめとするさまざまなデータを活用し、解析、可視化、データ提供を総合的に行う土地評価サービス。農業生産から都市開発までさまざまな目的に合わせてカスタマイズすることが可能となっており、ビジネスにおいて最適な土地を宇宙からの視点で見つけることができる。今回は、そのようなサービスに月が加わった形となる。

今回の「天地人コンパス MOON」は、月が大好きなエンジニアインターン生が中心となり「もっと月のことを知ってほしい」という想いから開発が行われたという。

同サービスの機能の1つが、「月食シミュレーション機能」だ。11月8日(火)には日本全国で見られる皆既月食があるが、その月食前から月食後までを再現することができる。

  • 「天地人コンパス MOON」の基本画面

    「天地人コンパス MOON」の基本画面。北極と南極の一部を除き、高精細な月面を360度から閲覧でき、拡大縮小も可能。(左下)は2022年11月8日に日本全国で見られる皆既月食のシミュレータ (出所:天地人プレスリリース)

同機能では、時刻を進めたり戻したりできるスライダーが用意されており、月が地球の影である「本影」とそれを取り囲む薄い「半影」に出たり入ったりする様子も、時刻を自由に設定して確認することが可能だ。ちなみに、画面中央の月も本影食の段階では月全面が普段とは異なる暗い赤銅色になるというエフェクトも用意されている。

  • 2022年11月8日に追加される予定の新機能「距離・面積機能」の活用例

    2022年11月8日に追加される予定の新機能「距離・面積機能」の活用例 (出所:天地人プレスリリース)

また、今後のアップデートで予定として、「月の土地評価」機能がある。月面の2地点間の距離や、任意の範囲内を指定しての面積の割り出し、さらにクレーターの大きさなどが段階的に加えられる予定だ。さらに、月の3D地形情報の分析機能も強化し、月面開発に貢献できるサービスを目指すとしている。

  • 開発中の機能のクレーター断面の分析例

    開発中の機能のクレーター断面の分析例 (出所:天地人プレスリリース)