TISインテックグループのインテックと愛媛CATVは5月10日、災害時に被災現場の高精細映像をリアルタイムで伝送する実証試験を実施したことを発表した。

愛媛CATVは、愛媛県が防災および減災において5G(第5世代移動通信システム)や先進デジタル技術の活用方法を検討するために設置した「令和3年度愛媛県災害情報5G活用検討会」の業務を受託し、その一環として同実証試験を実施したとのことだ。

  • 実証試験の概要

今回の実証試験は中山間地域や沿岸地域を災害発生地と想定し、当該地域の高精細映像を愛媛CATVのローカル5Gと地域閉域網、インテックのワイヤレスIoT(Internet of Things:モノのインターネット)デバイスと都市OS(FIWARE)を活用して愛媛県庁まで伝送し、その映像を確認する内容だ。

両社は4K映像とHD映像の比較や、ドローンまたは船舶などの撮影位置を映像と合わせてリアルタイムに把握できるICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)環境構築の支援を行った。

  • 実証試験の概要図

  • 4K映像とHD映像の比較イメージ

実証の結果、中山間地域と沿岸地域の電波伝搬特性の異なる環境において、いずれも5Gが4K高精細映像の伝送に有効に活用できることが確認され、おおむね良好な結果が得られたとのことだ。

また実運用に向けて、県が要請してから高精細映像を閲覧できるまでの所要時間、基地局からのカバーエリアや4K映像を効果的に活用できる撮影方法なども確認している。さらに、ワイヤレスIoTデバイスなどと都市OSのダッシュボード機能との組み合わせにより、海上のように撮影場所の把握が困難な現場においても撮影場所を迅速かつ的確に把握可能であると確認できたとしている。