シンク、サンデン・リテールシステム(サンデンRS)、蔵楽、KDDI、KDDI総合研究所(KDDI総研)の5者は3月24日、3月25日から2022年4月3日までの間、名酒センター(日本酒PRセンター)御茶ノ水店にて、日本酒IoTディスペンサー「のまっせ」を活用して、一般参加者に試飲してもらい、性別・年代・地域といった属性別の日本酒の嗜好性に関するデータを解析する実証実験を実施することを発表した。

5者の役割は、シンクが実験用ソフトウェア開発および運用、データ解析を担当。サンデンRSは実験用ハードウェアの開発。蔵楽は、実験場所の名酒センター(日本酒PRセンター)御茶ノ水店での実証実験の運営、データ解析。KDDIは、日本全国で進めている地域活性化取り組みで得られた知見の提供と実験用通信環境(モバイルルータ)の提供。KDDI総研は、実験シナリオ企画およびプロジェクトの推進となっている。

国税庁「酒類製造業および酒類卸売業の概況(令和2年度調査分)」によれば、日本には約1200となる日本酒の酒蔵があるとする。しかし、同じく国税庁の「課税部酒税課・輸出促進室 令和3年3月『酒のしおり』」によれば、国内での日本酒需要の低迷によりその数は年々減少しており、若い世代を中心とした新たな日本酒市場の開拓が求められている。

その一方で、日本酒の酒蔵の99%以上を占めている中小規模の酒蔵にとっては、デパートでの試飲会などによるデータ収集は人的コストが高く、新たな市場開拓に有用なデータの収集が困難な状況だという。

そうした中でシンクが開発したのが、インターネットに接続された日本酒試飲専用のドリンクディスペンサー「のまっせ」だ。今回の実証実験では、「のまっせ」を用いて、試飲された銘柄(試飲可能な日本酒は2種類)、試飲量、試飲時間のデータが収集される。「のまっせ」で収集されたデータとスマートフォンアプリのアンケートで収集された参加者の属性情報のデータを紐づけることで、属性別の嗜好性がデータとして蓄積される仕組みだ。

  • 日本酒試飲専用のドリンクディスペンサー「のまっせ」

    日本酒試飲専用のドリンクディスペンサー「のまっせ」 (出所:サンデン・リテールシステムプレスリリースPDF)

このシステムを活用することで、酒蔵は試飲用の日本酒を提供するだけで属性別の嗜好性を把握することが可能となり、特定の年代や地域をターゲットにした日本酒の商品開発および販路開拓に活用が可能となるとしている。

今回の実証実験の実施場所、期間などは以下の通りだ。なお実施場所の名酒センター(日本酒PRセンター)御茶ノ水店は、全国43蔵の100種類以上の日本酒が用意されており、今回の実証実験で試飲できる2種類の日本酒以外にも有料で試飲が可能だ。

  • 日本酒試飲専用のドリンクディスペンサー「のまっせ」

    今回の実証実験の概要図 (出所:シンクWebサイト)

  • 実施場所:名酒センター(日本酒PRセンター)御茶ノ水店
  • 実施期間:2022年3月25日~2022年4月3日
  • 営業時間:14:00~22:00(火曜日~金曜日)/12:00~22:00(土曜日)/12:00~19:00(日曜日)
  • 休業日:月曜日(期間中は3月27日と4月3日)
  • 参加条件:20歳以上でアルコールにアレルギーのない方
  • URL:https://nihonshu.com/ochanomizu/#intro

また実証実験の流れは以下の通りとなる。

  1. 「名酒センター」に入店後、スマートフォンから今回の実証実験専用アプリにアクセスし、アプリ上で参加条件を確認する。
  2. アプリ上で属性情報(性別、年代、出身地、居住地)を入力後、スマートフォン画面上にQRコードが表示される。
  3. 「のまっせ」にQRコードをかざすと、製造方法の異なる2種類の日本酒を1杯ずつ試飲できる。日本酒の銘柄は、福島県会津若松市の老舗酒蔵である末廣酒造の「伝承山廃純米 末廣」と「純米吟醸 無濾過原酒(火入れ)」。
  4. 3杯目は、試飲した2種類の日本酒から好みの日本酒を試飲する。
  5. 試飲後に参加者の属性情報と嗜好性を紐づけることで、属性別の嗜好性を蓄積する。
  6. 蓄積したデータを解析する。

5社は今回の実証実験を通じて、データ収集に関する人的コストの削減を目指し、中小の酒蔵の商品開発力と販路開拓力の向上に貢献するとしている。また、今回の実証実験で得られた結果をもとに必要となるデータや知見を洗い出し、今後も検証を続けることで、日本の地域産業の支援を行っていくとしている。

  • 日本酒試飲専用のドリンクディスペンサー「のまっせ」

    今回の実証実験の流れ (出所:シンクWebサイト)