パナソニック スマートファクトリーソリューションズは2月14日、“あらゆる状況に即応し、自律的に進化し続ける工場”「Autonomous Factory(オートノマスファクトリー)」を実現する製品群「NPM Gシリーズ」など4製品を、2022年2月16日より順次発売することを発表した。

同社は、工場で発生するトラブルの要因が変動要素のバラつきに起因していると考え、製品を生産する過程で品質に影響を及ぼす要素である5M(huMan、Machine、Material、Method、Measurement)を、AIで自律的に制御し進化させていくことで、Autonomous Factoryの実現につながるとしている。

そのうえでまず、2022年2月16日に、5Mの変化に追従し生産を安定させる実装ライン用システム「APC-5M」を発売。その後、機種切り替えの完全自動化を実現したスクリーン印刷機「NPM-GP/L」、部品を自動供給するシステム「Auto Setting Feeder」、業界最高レベルの装着精度を実現するモジュラーマウンター「NPM-GH」を順次発売する計画だ。

  • Autonomous Factoryを実現する「NPM Gシリーズ」

    Autonomous Factoryを実現する「NPM Gシリーズ」(出典:パナソニック スマートファクトリーソリューションズ)

5MプロセスコントロールシステムAPC-5Mは、5Mのバラつきをリアルタイムに監視し、ラインの変化を検出。蓄積されたデータに基づき、分析を行い、要因を特定し、経験則に従い自律的に課題を解決するものだという。この経験は蓄積され、使えば使うほど、クライアントの工場の中で精度の高いシステムへと成長していくといい、5Mのリアルタイム監視でユニットの状態に着目し、是正が必要なユニットと時期を判断し、稼働に影響がないタイミングで、設備のメンテナンス機能を実行したり、交換指示を行う予知保全を上位システムと連携して実現が可能だという。

印刷工程の自動化機能を備えたスクリーン印刷機NPM-GP/Lは、印刷精度±3.8μm、サイクルタイム12秒の世界トップレベルのはんだ印刷性能を実現し、印刷工程の完全自動化機能をオプションで用意。印刷用のマスクを、最大10品種までストック可能な「マスクチェンジャー」をはじめ、はんだの自動供給・回収、基板を支える下受けピンの自動交換により、機種切り替えに必要な作業を自動化するとしている。

実装部品を自動供給するシステム、Auto Setting Feederは、4mm~104mm幅の表面実装部品供給テープに対して、カバーテープの自動剥離を可能としたことで、スキルレスでの実装部品の自動供給を実現するという。また、次のテープを供給するローディングユニットにより、前のテープが終了すると、即座に次のテープを自動で補給。これらにより、部材補給への人の介在を無くし、自動化を実現するとしている。

モジュラーマウンターNPM-GHは、小型軽量化した実装ヘッドにより、高精度領域±15μmで最大4万1,000cph(chip per hour:単位時間当たりで実行可能な搭載部品の総数)の高生産性を実現。また、±10μmの超高精度仕様を実現し、操作画面の大型化によるユーザーインタフェースの改善と、前後同時操作など、操作性を向上したという。

なお、パナソニックグループの持株会社制への移行にともない、パナソニック スマートファクトリーソリューションズは2022年4月より、「パナソニック コネクト」に社名と体制を変更する予定だ。