塩野義製薬は9月28日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として開発中の経口投与型の抗ウイルス薬(開発番号:S-217622)について、国内第2/3相臨床試験を9月27日より開始したことを発表した。

今回の臨床試験では、軽症の新型コロナ患者または無症候の新型コロナ感染者を対象に、プラセボ投与群を対照として、同治療薬を1日1回、5日間経口投与した際の有効性および安全性の評価を行うとしている。具体的には、治験実施医療機関の協力のもと、医療機関での実施に加えて、医師や看護師の派遣による宿泊療養者なども対象とした治験として実施するとしているほか、プラセボ投与群も設けられることから、通常の臨床試験と同様に被験者に対して、試験期間中、医師や看護師による十分な医療サポート下で診察や検査を行うとしている。

なお、同治療薬は、北海道大学と塩野義製薬の共同研究から創製された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の増殖に必須酵素「3CLプロテアーゼ」を選択的に阻害するもので、新型コロナ感染動物を用いた非臨床試験において、ウイルス量を速やかかつ有意に低下させることが確認されているほか、2021年7月より日本で開始した第1相臨床試験においても、安全性上の大きな問題は認められていないほか、薬物動態についても、目標とする血中薬物濃度を上回る良好な結果が確認されているとしている。