大人気企画が新展示とともに帰ってくる。

東京・池袋のサンシャイン水族館は、2021年9月14日~同12月26日までの間、夜間特別営業「夜のサンシャイン水族館 性いっぱい展おかわり♡」を開催する。

3年連続での開催となる“性いっぱい展”

同展は、2019年に生物の多様な“性”やユニークな特性に着目し好評だった「性いっぱい展」、2019年の成功を踏まえパワーアップさせた2020年の「夜のサンシャイン水族館 もっと♡性いっぱい展」の人気を受け、開催されるもので、3回目の開催となる今回は、「生き物が命をつないでいく姿をより深く・楽しく知ってもらうための集大成」として生き物の生存戦略や工夫などを紹介するものとなっている。

  • フォトスポット

    夜のサンシャイン水族館 性いっぱい展おかわり♡のフォトスポット

新たな生体展示やパネル展示が用意され、中でも生き物の性に関するユニークな特性を紹介する「“性”解説パネル」は、本館1階に5つ、本館2階に6つ、屋外エリアに3つ配置され、記載されている2次元バーコードを読み込むことで、より詳細な解説を見ることができる仕掛けとなっている。

  • スマホ

    2次元バーコードを読み込むと、解説をスマートフォンから見ることができる

この“性”解説パネル、例えば「ユメカサゴ」の場合、交尾の際に、普段とは異なる姿を見せるといったことが書かれている。

  • ユメカサゴ

    ユメカサゴのパネル

どのような姿かは、ぜひ会場で解説とともにご覧いただきたいが、解説を読んでから、水槽にいるユメカサゴを見ると、まさに解説通りのたたずまいをしており、感慨深いものがある。

  • ユメカサゴ

    水槽の底でじっとしているユメカサゴ。ぜひ展示の解説を見てから生体をご覧になってほしい

ちなみにユメカサゴが泳ぐ水槽には、日本での展示数が少なく(2021年9月時点で東日本では同水族館でしか見ることができない)、かつサンシャイン水族館が日本で初めてふ化に成功した「ゾウギンザメ」も泳いでいる。

  • ゾウギンザメ

    ゾウギンザメ

サメと名前についているが、ホホジロザメやジンベエザメが属する板鰓亜綱ではなく、全頭亜綱に属するゾウギンザメ科の魚だという。

特徴的な顔立ちに加え、日本ではあまり見る機会がないため、ぜひ併せてご覧いただきたい。

また、イベント時間中の館内は、特別仕様としてピンクにライトアップされており、さまざまな生き物を普段とは違った趣きで見ることができる。

  • ダイオウグソクムシ

    ピンクにライトアップされたダイオウグソクムシ。普段とは違った趣きがある

  • 大水槽もピンク色

    大水槽もピンク色にライトアップ

  • メキシコサラマンダー

    メキシコサラマンダー(ウーパールーパー)もピンク色に

  • メキシコサラマンダー

    おめでたいことに8月に生まれたメキシコサラマンダーの赤ちゃんも展示されている

サンシャイン水族館の新名物、多種多様のクラゲがさまざまな形の水槽で飼育されている「海月空感」もライトアップされているので、ぜひその神秘的な雰囲気をその目で見てもらいたい。

  • クラゲ

    ライトアップされたクラゲ

  • クラゲ

    ライトアップされたクラゲ

この海月空感では、通常展示の際にも癒しのためにオリジナルアロマの演出があり、良い香りがするのだが、クラゲが漂う神秘的な海をイメージした香りを家でも楽しむためのルームディフューザーも、グッズ売り場にて購入可能だ。

  • アロマ

    グッズ売り場で販売されている海月空感のアロマをイメージしたルームディフューザー

海月空感の実際の香りとは異なるものだが、人気が高く、一度売り切れになったものが再入荷されたのだという(数量限定のため、無くなり次第販売終了となる)。

今回のイベントのために、レイアウトを1から作った水槽もあるという。

  • アルマジロトカゲ

    1からレイアウトした水槽のひとつであるアルマジロトカゲ。特徴的な生殖器をもつ。その理由も興味深い

体験できる展示も用意

性いっぱい展シリーズの魅力の1つとして、体験型展示がある。今回はコロナ禍という状況を踏まえ、触らなくても体験できる仕組みを取り入れた展示が用意されている。

今回はサンシャイン水族館内で録音された、ある動物の音が流されているブースを用意。その隣にあるブースに開けられたのぞき穴から中を見ると、その音の正体が何者であるかが分かる仕組みとなっている。

  • 音

    ある動物のとある行動中の音が流れている

  • のぞき穴をのぞくと衝撃の事実が!

ちなみに、屋外展示の生き物たちは、昼行性のものがほとんどであり、夜になると寝てしまうため、サンシャイン水族館のスタッフによれば、イベント開始時刻である18時台に入場し、屋外展示から見学すると、まだ起きている生き物たちを見ることができる確率が上がるかもしれないとのことだ。

サンシャイン水族館スタッフ手作りのアイテムも展示

生き物たちの展示や“性”解説パネルのほか、サンシャイン水族館の飼育スタッフが手作りで作成した、さまざまな生き物の「陰茎模型」や、古来から使用されてきたとされる魚の浮袋から作成したコンドームなども展示されている。

  • 陰茎模型

    スタッフが作成した陰茎模型8種。1つにつき5時間ほど作成に時間を要したという。魚類だけでなく、さまざまな生き物の陰茎が紹介されており、生活している場所それぞれにおける子孫を残すための工夫が目で見てわかる展示内容となっている。

  • 陰茎模型

    スマートフォンから、生き物についての詳細な解説を見ることもできる(無料)

展示のほか、過去2回の性いっぱい展でも人気だったオリジナルグッズたちもバージョンアップして販売されている。

  • オリジナルグッズ

    オリジナルグッズ。人気はドリンクとのことだ

展示や見せ方はポップだが、普段目にすることの無い生き物たちの“性” の世界を、スマートフォンで見ることのできる解説やパネルを用い、アカデミックに紹介している同展。解説を読めば、ユニークな繁殖行動に隠された、厳しい自然の中で生き残るための工夫がわかり、大変興味深い。

サンシャイン水族館の広報担当者は、「生き物の性は不思議さと魅力が多くあり、我々も学べるところは多くある。生きるパワーを感じてくれたら」と今回の見どころを教えてくれた。

秋が近づき、肌寒くなってきた昨今。秋の夜長にピンク色にライトアップされたサンシャイン水族館で、生き物の性の多様性、魅力にふれるのもいいかもしれない。

なお、入場には新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、事前に日時指定チケットの購入が必要となっていることに注意が必要だ。

【開催概要】

・ 期間:2021年9月14日(火)~12月26日(日)18:15~21:00 ※最終入場は終了の1時間前
    ※11月14日(日) は休業。※12月も休業日あり。
・ 料金:〇一般
   大人 2,500円(月~木曜日(祝日・祝前日を除く)は2,400円)
   こども 1,200円/幼児(4 才以上) 700円
   〇年間パスポート会員
   大人 1,200円/こども 600円/幼児(4 才以上) 350円
   ※入場チケットは、日時指定WEBチケット
    または当日時間指定コンビニチケットの取得が必要
   ※年間パスポート会員については事前にWEB上で整理券を取得の上
    水族館チケットカウンターで受け付け

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