米Novavax(ノババックス)は6月14日(米国時間)、同社が開発を進めている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)向けワクチン候補「NVX-CoV2373」の米国ならびにメキシコで進めている後期臨床試験(治験)データで、変異株を含む新型コロナウイルスに対して90%以上の有効性を示したと発表した。

2万9960人を対象に、プラセボ群と比較し、NVX-CoV2373は90.4%の有効性が示されたほか、主要評価項目も達成したという。また、中等度ならびに重度の症状を防ぐ効果は100%であったという。

また、ワクチン接種による副反応としては、注射部位の痛みおよび圧痛が一部の対象者で2-3日続くことが確認されたほか、1-2日程度の倦怠感、頭痛、筋肉痛が確認されたとしている。

なお、同社では2021年第3四半期中に米国の規制当局に緊急使用許可を申請する方針で、それと並行して第3四半期末までに月間1億回分、第4四半期末までに月間1億5000万回の生産能力を確保する計画としている。また、日本向けとしては、武田薬品工業が製造と流通を手掛ける予定で、すでに国内での診療試験を開始しているほか、その結果と海外での大規模治験データをもとに承認申請を行う予定で、年産2億5000万回分以上の生産能力の整備を進めているという。