半導体ウェハ検査装置大手のKLA-Tencorは5月26日(米国時間)、急成長するエレクトロニクス・パッケージング・コンポーネント(EPC)に焦点を当てた新事業部門を設立したことを発表した。

同社Executive Vice PresidentのOreste Donzella氏が同部門を担当し、半導体実装済みコンポーネントの光学検査装置を手掛けるICOS、2018年に買収しPCB関連の検査装置やFPD検査装置などを手掛けるOrbotech、Orbptechが2014年に買収したウェハ処理装置などを手掛けるSPTS Technologiesの事業を統合することで、新たなビジネス分野に対するリソースの統合を図り、経営の多角化を目指すという。 

Orbotechは1981年、イスラエルに設立され、FPDやプリント配線基板などの光学式検査装置などを手掛けてきた。KLAは2018年に34億ドルで同社を買収することを発表したが、社名とブランドを残したままにしていた。また、SPTS TechnologiesはMEMS、LED、非シリコン基板などMoth-than-Mooreデバイス向けプラズマエッチングおよびCVD、PVDプロセス装置メーカーで、OrbotechとともにKLAに買収されることとなった。KLAでは、これらの買収により、既存の半導体ウェハ検査装置事業に加えて、新たな事業による収益基盤の多様化が図れることとなったとしており、約25億ドルの売り上げ向上効果があるとしている。

  • Orbotech

    Orbotechの光学式プリント配線基板外観自動検査装置 (出所:Orbotech)

KLAの社長兼CEOであるRick Wallace(リック・ウォレス)氏は、「この新グループは、KLAが2019年に買収したOrbotechとSPTSのビジネスをKLAのビジネスに統合し、補完的なテクノロジー、製品、サービスを1つの組織体にし、急成長する市場でイノベーションを起こしたい」と語っている。

また、「5G、人工知能(AI)、IoTなどのグローバルメガトレンドは、モバイル、データセンター、自動車など主要産業全体の成長を牽引し続けている。この勢いは、特殊な半導体プロセス、高度なパッケージング、およびプリント回路基板(PCB)製造全体の革新につながり、製造における高まる品質要件をサポートしながら、主要産業の新機能を実現する。AIを実現するために、高性能コンピューティング(HPC)で高度なパッケージング技術と高密度の相互接続が採用されている。SiCやGaNなどの新しい基板材料のウェハプロセスにより、電気自動車への移行が加速している。RFデバイスの統合アンテナを含む新しいパッケージデザインは、5Gコネクティビティを向上させるための重要な要素である。そしてヘルスケア、スマートホーム、スマートファクトリ向けのMEMSおよびIoTセンサは、今後数年間で生活を変革し、改善するのに役立つ」と、新グループがカバーする新領域の将来性への期待も語っている。

なお、同社は2015年、先端ドライエッチング・CVD・洗浄プロセス装置サプライヤである米Lam Researchと合併することで合意していたが、2016年に米国の独占規制当局が合併を認可せず破談となった。その後、KLAは、主力のシリコンウウェハ検査装置だけではなく、それ以外のコンポーネントの検査測定や半導体プロセス装置などにも触手を伸ばし経営の多角化安定化を図ろうとしてきた。