順天堂大学は5月26日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断向けとしたSARS-CoV-2抗原検出イムノクロマトキットの開発に成功したことを発表した。

同成果は、同大大学院医学研究科 微生物学の切替照雄 教授らの研究グループと、コージンバイオらによるもの。

同キットは、下気道由来検体または鼻咽頭ぬぐい液に含まれるウイルスを直接検出することで、臨床現場における即時検査への応用を可能としたもの。検体に対する特別な前処理が不要なため、PCRのような遺伝子診断法と比べ迅速かつ簡便に検査を行うことができるため、検査開始から終了まで数分から数十分で診断が可能だという。

研究グループでは、従来の遺伝子検査と組み合わせれば、これまで診断できなかった感染者を簡便に検出でき、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に有用であると説明している。なお、今回のキットについて、コージンバイオが製品化の計画を進めているという。

  • SARS-CoV-2抗原検出イムノクロマトキット

    開発されたSARS-CoV-2抗原検出イムノクロマトキットを用いた陽性、陰性の判定イメージ (出所:順天堂大学Webサイト)