業務用音響機器や防犯・監視カメラなどのセキュリティ機器専門メーカーであるTOAは、同社のネットワークカメラ用にAI活用で視覚障がい者などが使う白杖(はくじょう)を認識する機能のライセンスを30日より販売する。

  • システム概要(同社資料より)

    システム概要(同社資料より)

音響・放送、防犯用カメラシステムなどを手掛ける1934年創業の老舗メーカーである同社のネットワークカメラ「TRIFORAシリーズ」は、赤外LED投光、塵やほこりを出さないクリーンルーム対応機種やモーション検知、プライバシーマスク機能など用途に応じた機種や機能のラインナップを揃える。1/4/16画面ライブビュー、PTZ(パン/チルト/ズーム)遠隔操作もネットワークを通じてPCで制御。カメラにはアンプ内蔵型マイクの接続もでき、"音声"による注意喚起も可能なネットワークカメラシステムを構築できる。

今回同社が販売するライセンスは、シリーズ内の適合カメラ(N-C5120-3、N-C5150、N-C5150-3、N-C5220-3、N-C5250R3、N-C5420-3、N-C540R3、N-C5820-3、N-C5850R3)において白杖を認識するためのもので、カメラ画角内の"白杖らしさ"をAIが数値化して自動検知できる。傘などの類似した物体を誤検知しないよう学習しており、白杖の移動方向も認識。白杖使用者の進行方向に合わせて音声誘導を放送することも可能になる。

同社は、2018年2月の神戸での実証実験以来、自治体やNPO、公共交通機関との共同検証を重ねており、実際に白杖使用者にシステムを体感してもらい、認識精度や音源や音質の改良を進め今回の実用化へと至っている。