このITインフラニュースのまとめ

  • ソフトバンクグループとフランスのAIインフラ企業Sesterceの合弁会社、仏Bosquelに1GWのAIデータセンターキャンパスを建設へ
  • AIインフラの欧州主要拠点としてのフランスのポジションを強化、競争力強化と地域経済の活性化も
  • フランス最北端の地域圏と共同運営する1,000万ユーロの基金を設立、地域企業や教育機関などのAI活用を促進

ソフトバンクグループが、欧州の次世代AIインフラ整備に乗り出す。同社が過半数を所有し、AIインフラ企業の仏Sesterce(セステルス)と設立した合弁会社が現地時間5月30日、仏Bosquel(ボスケル)に1GWのAIデータセンターキャンパスを開発し、運営事業者として選定されたことを発表した。

この計画は、ソフトバンクグループが「2026 Choose France」サミットで表明した、総計5GW規模のAIインフラ投資の一環として発表したもの。AIインフラ、高性能コンピューティング、デジタルサービスの欧州主要拠点としてのフランスのポジションを強化し、競争力強化と地域経済の活性化も狙う。

合弁会社は、ソフトバンクGのグローバルAIインフラプラットフォームと、Sesterceのデータセンターのケイパビリティを結集。欧州で拡大するAIエコシステムに必要な規模と持続可能性、性能を備えたキャンパスを開発し、ここでは環境負荷や水使用量を最小限に抑える先進技術も活用予定としている。

Bosquelキャンパスは大規模データセンターとして、フランスや欧州全域におけるイノベーション、産業競争力、技術的主権をサポートするために必要なAIコンピューティング能力を提供。地域雇用の創出や、地域投資、人材育成、コミュニティインフラ整備とも組み合わせ、周辺地域を含めたフランス全体のAIエコシステムに対し、早期の経済効果と長期的な価値の双方をもたらすことをめざしている。

建設予定地のボスケルは、フランス最北端のHauts-de-France(オー・ド・フランス)地域圏に位置し、イギリスやベルギーに近い立地。パリやブリュッセル、アムステルダム、ロンドン、フランクフルトといった欧州の主要な経済・技術拠点に近く、欧州主要市場の顧客に高度なAIワークロードを低遅延で提供できるとしている。また、地域企業や教育機関などのAI活用を促進することを目的とし、同地域圏と共同運営する1,000万ユーロの基金を設立する計画だ。

同キャンパスは、AIインフラ、高度な送電網インフラとエンジニア人材、工業用地の確保、拡大する国内AIエコシステムといった、フランスが有するAIインフラ面での強みを基盤とし、「フランスを安全性・拡張性・エネルギー効率に優れたコンピューティング能力の供給拠点として、欧州で最も魅力的な国のひとつにする」(ソフトバンクG)。建築設計事務所のPatriarcheがデザインを担当する。

キャンパスの建設には多様な企業や建設事業者、サービス事業者の参画を見込み、地域経済に大きな機会をもたらすことが期待されるとしている。運用開始後はデータセンター運営やエネルギーシステム、セキュリティ、保守、高度インフラ管理などの分野で400もの長期的かつ高度な専門性を備えた職種を創出する見込みとのこと。

同キャンパスにはコミュニティセンターも設置する予定で、住民や地元企業、学生、起業家、公共機関関係者の交流拠点として機能。地域交流やイベント開催を通じて、このプロジェクトやAIがもたらす機会についての継続的な対話の場として活用予定だという。

Sesterceは2018年に設立された企業で、次世代人工知能のためのハイパースケール・コンピューティング能力を構築し、欧州やその他地域において高密度AIファクトリーを開発・運営。エネルギー、データセンターインフラ、GPUクラスターを組み合わせることで、企業やAIモデル開発者、ハイパースケーラー向けに主権的かつ大規模なAIコンピューティング能力を提供する。用地開発や電力供給、冷却、ネットワーク、クラスター運用までを一体的に手掛ける垂直統合型の実行体制をもち、先進AIインフラの展開加速に注力している。

ソフトバンクグループ 孫正義会長兼社長のコメント

AIは次の時代のテクノロジー、産業、人類の進歩を形作るものであり、その未来には新世代のインフラが必要です。Bosquelは、欧州のAIエコシステムを支えるために、大規模なコンピューティング能力、エネルギー、そして強力な地域パートナーシップを結集し、フランスにその基盤を築くというソフトバンクのコミットメントにおける重要な一歩となります。

Sesterce CEO and co-founder Youssef El Manssouri氏、GM and co-founderのAnthony Tchakerian氏のコメント

ソフトバンクとのパートナーシップは、Sesterceにとって、そして欧州における主権的AIインフラの未来にとって画期的な節目となるものです。私たちは、Bosquelが次世代AIに必要な規模で、エネルギー、コンピューティング能力、事業遂行力を結集した象徴的なAIファクトリーとなる可能性を秘めていると考えています。

Préfet de la SommeのRollon Mouchel-Blaisot氏のコメント

Le Bosquelに建設されるこのAIファクトリーは、長期的な雇用創出にとどまらず、研究、イノベーション、知識の発展をサポートすることで、地域に大きな経済的・社会的恩恵をもたらす重要な産業投資です。その地域への大きな波及効果に加え、Somme地域全体が世界最高水準のスーパーコンピューターの存在による恩恵を受け、将来を形作ることができるでしょう。CC2SOが実施した公募プロセスを通じて、政府関係機関は最良の経済的・環境的成果を確保することを目的に、厳格かつ独立した専門的評価を提供するため全面的に取り組んできました。

Communauté de communes Somme Sud-Ouest PresidentのAlain Desfosses氏のコメント

私たちは当初から、このプロジェクトが地域社会と次世代の双方に長期的な価値をもたらすものとなることを最優先に考えてきました。Bosquelは、Hauts-de-France地域圏およびフランスのデジタル分野の将来にとって大きな機会となる一方で、地域住民、企業、公共機関にも恩恵をもたらすプロジェクトでなければなりません。私たちは、この開発計画が地域に深く根差したものとなるよう、地域の関係者との対話を重ねながら進めるとともに、人材育成、イノベーション、地域経済の活性化を支える具体的な取り組みを併せて推進してきました。地域基金の設立やコミュニティスペースの整備は、こうした私たちの考えを具現化するものです。