ダイキン工業 執行役員 テクノロジー・イノベーションセンター長 米田裕二氏

オカムラ、ダイキン工業、東京海上日動火災保険、ライオン、MyCity、アサヒビール、TOA、TOTO、パナソニックは7月8日、会員型コワーキングスペース「point 0 marunouchi」において、未来のオフィス空間づくりに向けた実証実験を開始すると発表した。

「point 0 marunouchi」は、ダイキン工業が開設した空気・空間のデータを活用した協創プラットフォーム「CRESNECT」の第1弾プロジェクトである「未来のオフィス空間」を実現していくことを目的としたもの。

「point 0 marunouchi」では、各社の最新技術やデータ、ノウハウを活用し、オープンスペースや会議室、仮眠ブースなどにおいて、多様な働き方に合わせた空間コンテンツを導入する。実際に働く人の動きや生体情報、設置機器などの運転データを収集・分析し、コンテンツの高度化や新しいサービスの創出に取り組む。

ダイキン工業 執行役員 テクノロジー・イノベーションセンター長の米田裕二氏は、「point 0 marunouchi」の基本コンセプトとして、「究極のパーソナルの空間とコワーク(共創)による生産性向上の空間」「より生き生きと働ける空間」「『働く』をアップデート」「健康的に働けるオフィス空間」を挙げた。

具体的には、さまざまな働き方を実現するため、オープンエリア、個室、会議室、集中ルーム、冥想ルームなど多彩な空間が用意されているほか、アルコールも常時提供し、オンとオフの境界線を曖昧にすることで、オフィスワーカーが働きやすい空間を提案する。加えて、国内初のシェアオフィスとして、働く人の快適性やウェルネスが重要な評価ポイントとなるオフィス空間の認証制度「WELL Building Standard」取得を目指す。

  • 「point 0 marunouchi」のコンセプト

パナソニック ライフソリューションズ社 常務 技術本部長 岡秀幸氏

昨年7月に「未来のオフィス空間」に関する発表が行われたが、今回アサヒビール、TOA、TOTO、パナソニックの4社がプロジェクトに加わった。4社の中から、パナソニック ライフソリューションズ社 常務 技術本部長の岡秀幸氏が、同社の取り組みについて説明した。

パナソニックは、他社との共創によって「空間ソリューション」の知見と付加価値の創出を目指す。最初のステップとしては、ダイキン、オカムラなどと実証実験を通じて、空間ソリューションの知見を創出する。次のステップとして、各参画企業と共創して、空間パッケージの構築を目指す。

具体的には、パナソニックの位置情報システムおよび照明、ダイキンの空調、TOAの音と連動することで、気温・湿度・明るさ・音楽を事前に設定して、利用者の好みのワークスペースを実現する。ここで、集中力などのエビデンスを取得し、効果を検証する。「ワークプレイスを科学・制御する」ことを目指す。

「point 0 marunouchi」の主要な空間

「point 0 marunouchi」には、オープンスペース、会議室、集中ブース、仮眠ブース、瞑想ルーム、シャワールームなどが設けられている。

  • オープンスペース。天井にはさまざまな照明が取り付けられている

  • 自由席。至る所にグリーンがあふれている

  • 1人で集中できる集中ブース

仮眠ブースは、ダイキンの実証実験を行う部屋とパナソニックの実証実験を行う部屋があった。ダイキンの部屋には生体センサーと環境センサーが設置されており、そこから習得したデータをもとに空調、照明、香りといった機器をコントロールして、利用者に適した空間を提供する。また、ベッドにもセンサーが設けられており、バイタルデータをもとに温度などを調整し、心地よい睡眠、目覚めに導くという。

  • ダイキンの仮眠ブース。ベッドの裏にセンサーが付いている