シリコン・ラボラトリーズは、ルネサスエレクトロニクス(以下、ルネサス)の車載情報システム用SoC第3世代「R-Car」向けに、同社のラジオ・チューナIC「Si47961/Si47962」を搭載したソフトウェア・デファインド・ラジオ(Software Defined Radio、以下 SDR)ソリューションを提供することを発表した。

製品イメージ

SDRソリューションは、ルネサスのR-Carにシリコン・ラボのアナログ・デジタル・ラジオチューナ(Dual Eagle Si47961/62)と、M's STYLE TECHNOLOGYが独自開発したデジタル・ラジオ復調ソフトウェアを搭載したことで、各国のアナログおよびデジタル放送規格に対応する。

スケーラビリティの高いR-Carへの搭載により、ローエンドからハイエンドまでの全世界対応高性能ラジオ・システムを短納期、低コストで実現する。また、ソフトウェアで構成されるデジタル・ラジオ復調器だけでなく、ラジオ・チューナの信号処理部も内蔵DSP上で走る ファームウェアで実現されるため、性能のバージョンアップや機能拡張を容易にする。

ルネサスのオートモーティブソリューション事業本部 車載情報ソリューション事業部事業部長の松本芳幸氏は、「ルネサスのR-Car SoCは2011年の誕生以来、最先端の車載コンピューティング・プラットフォームとして、進化し続けています。シリコン・ラボの最新の車載ラジオ・チューナICと、M's STYLE TECHNOLOGYが開発したソフトウェア復調器をR-Car SoCに組み込むにより、仕様が異なる世界のラジオ規格に対応する、最高クラスのインフォテインメント環境の実現が可能となります」と述べている。

また、M's STYLE TECHNOLOGY 代表取締役社長の森田正和氏は、次のように述べている。「当社は、R-Car SoC向けSDRソリューションプロジェクトにおいて、シリコン・ラボ様の車載ラジオ・チューナ及びルネサス様のR-Car-Gen3へ最適化したソフトウェア復調器の開発と提供を通して、世界市場対応デジタル・ラジオのソフトウェアでの実現をはじめ、ソフトコンポーネントの採用によるハードウェアの選択枝の広がり、ソフトウェアアップデートによる容易なインフラ追従、機能追加の実現に貢献できると信じております」

シリコン・ラボで、ブロードキャスト製品担当ゼネラル・マネージャを務めるブライアン・マーキン氏は、「ルネサス社のR-Car SoCは、これから製品化される次世代オートモーティブ・インフォテインメント・システム向けに、最先端のプラットフォームを提供しています。私たちは、ソフトウェア・デファインド・ラジオ(SDR)に、業界をリードする当社のオートモーティブ・レシーバとデジタル・ラジオ・ソリューションを提供できることを、大変うれしく思います。シリコン・ラボの車載ラジオに関する専門知識は、高性能でスケーラブルなインフォテインメント・ソリューション構築に最適な基盤となるものです」とコメントしている。