Broadcomは10月27日(米国時間)、車載セントラルゲートウェイや先進運転支援システム(ADAS)、インフォテインメント、ヘッドユニット、タイムセンシティブなアプリケーションなどに向けた車載イーサネット用データ伝送技術「BroadR-Reach」対応の車載イーサネットスイッチ製品「BCM8953xファミリ」を発表した。

同ファミリは、28nmプロセスを採用することで、前世代比で消費電力を30%削減したほか、パッケージサイズも50%削減しつつ、PHYやローパスフィルタも統合したことで、周辺部品の点数削減も可能とする。

また、シールドなしのツイストペアケーブルを介したアーキテクチャにより、最大100Mbpsのデータ伝送が可能なほか、タイミングスタックとAVB(オーディオ・ビデオ・ブロードキャスト)のブリッジングサポート機能に対応可能なプロセッササブシステムも構築可能となっている。

「BCM8953xファミリ」について説明を行う Broadcomのオートモーティブ担当シニアディレクターであるAli Abaye氏

さらに、同製品ファミリについて、Broadcomのオートモーティブ担当シニアディレクターであるAli Abaye氏は、「接続コストはシールド付きのLVDSケーブル比で最大80%削減できるほか、ケーブル重量も最大30%の軽量化を図る」と説明しており、製造コストの低減と燃費向上につながることを強調。2016年以降、急速に普及が進むことが見込まれており、それに伴う量産効果によるチップ単価の低下から、さらにより多くのクルマが採用していくという流れが期待できるとし、そうした普及の鍵を握るのは日本の自動車メーカーであり、東京五輪も控える日本という地域そのものにも期待しているとした。

なお、同製品ファミリはすでにサンプル出荷を開始しているという。

「BCM8953xファミリ」のパッケージイメージと、実際の機器に搭載され使用されるイメージ