新日鐵住金は4月16日、燃料電池内の基幹部品における腐食環境に対して優れた耐食性を有する特殊圧延チタン箔の製造方法を開発、トヨタ自動車が販売する燃料電池自動車「MIRAI」の燃料電池スタック内のセルを構成する部品として採用されたことを明らかにした。

チタンは軽い、強い、耐食性に優れているといった機能を有する素材であり、航空機や電力・化学プラント、自動車部品、眼鏡や時計といった民生品まで幅広い分野で用いられている。同社では、1987年よりチタン箔製品の提供を行ってきており、MIRAIへの採用は、そうした高品質、高付加価値製品として評価された結果となる。

なお、同社では今回のMIRAIへの採用により、将来期待される水素社会の一翼を担う、先進性の高い事業分野への進出を加速するなど、チタン製品の新たな需要分野を開拓し、適用拡大を進めていく方針としている。

新日鐵住金のチタン箔(左)とトヨタ自動車が提供する燃料電池車「MIRAI」(中央、右) (出典:新日鐵住金Webサイトおよびトヨタ自動車Webサイト)