2015年2月8日~11日まで、米国アリゾナ州フェニックスでSOLIDWORKS WORLD 2015が開催された。本稿では1日目と2日目の全体セッションに登場したSOLIDWORKSユーザーとその製品をご紹介する。

Parrotはコンシューマーおよびプロフェッショナル向けに、無線技術を活用した製品の企画・開発を手がけるフランスの企業。同社は10年以上SOLIDWORKSを利用しており、民間向けドローンや2輪ラジコンカー「Jumping Sumo」などを世に送り出してきた。同イベントで発表されたIndustrial Designについては「感覚的なデザインが可能となり、これまで困難であったデザインを数分で完成させることができる」と高く評価した。

Parrotの民間向けドローン(左)と2輪ラジコンカー「Jumping Sumo」

THALMICの「Myo」はアームバンド型のデバイスで、筋肉を動かす電気信号をキャッチすることで、腕の動作によってさまざまな機器を操作することを可能とする。電気信号をキャッチするEMG技術はエンターテインメントから医療現場まで幅広い分野で活用されており、今後の広がりが期待されている。THALMICの担当者が「ハッカソンを開催した際、自分たちが思ってもいなかったようなアプリケーションが搭載されていた」と語ったように、今後「Myo」を介した新しいサービスやソリューションが生み出されていくことになるだろう。

アームバンド型ウェアラブルデバイス「Myo」

SOLIDWORKSは宇宙分野でも使用されている。ASTROBOTICは米カーネギメロン大学とのパートナーシップのもと、惑星探査のためのランダーとローバーをSOLIDWORKSで開発しており、Googleの月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」で走行・着陸・画像処理の全部門で受賞を果たした事でも話題となった。将来的には、月の「Lacus Mortis Pit」という地点に着陸して、人間にとってより生活に適していると考えられる洞窟の探査を行う計画だという。

ASTROBOTICのローバー(左)とランダー