スーパーコンピュータ(スパコン)関係の最大の学会であるSC14が、開幕した。今年の開催地はNew Orleansで、ここでの開催は2010年から5年ぶりである。主催者側によると、事前登録した今年の参加者は約1万人で、昨年と同等のレベルであるという。

SCではチュートリアルや特定分野のワークショップ、企業や研究機関の展示、本会議という大きく分けて3つのアクティビティが行われる。11月16日の日曜が開幕であるが、日曜と月曜はチュートリアルとワークショップという日程で、SC14本会議は18日の、主催者の挨拶と基調講演から始まる。そして展示は、17日の午後7時のOpening Galaからとなる。

Opening Galaでは食べ物や飲み物が振る舞われ、ビールを片手に展示ブースを回るという姿が多く見られる。ここで、どのような展示があるかの目星をつけて、翌日から19日午後3時までの展示期間にどれを詳しく見るかという作戦を決めることになる。

今年は、スパコン関係では日本の顔とも言える東京工業大学(東工大)の松岡聡 教授がSidney Fernbach賞を受賞し、記念講演を行うので、そのポスターが各所に立っている。なお、Cray賞は、元NECの渡辺氏、元富士通の三浦氏が過去に受賞しているが、学術的な業績を評価するSidney Fernbach賞の日本人の受賞はこれが初めてである。

SC14のレジストレーション風景。松岡先生の講演のポスターが立っている

また、今年は、超弦理論などの宇宙論で最先端を走り、同時に、一般向けのベストセラーの解説書を多く書いているBrian Greene教授が、幕開けの基調講演を行う。SCの基調講演は、毎年、注目の人が行うが、今年も面白そうである。さらに、今年はCDC(Center for Decease Control and Prevention)が感染症の伝染を防ぐために、スパコンがどう使えるかという発表を行う。取り扱っているのは仮想的な感染症であるが、この手法は、エボラなど現実の脅威にも適用できるものであり、重要な研究である。

基調講演や、論文発表も重要な最新情報を得るチャネルであり、SCに参加する理由であるが、SCのもう1つの見どころは、企業や研究機関、大学などの展示である。今年は360の展示ブースが並ぶ。今年も、HP、NVIDIA、DELL、Micronなどが中央の目貫の場所に大きなブースを構えている。そして若干離れてIntelの大きなブースがあるという具合である。また、小さなブースでも興味深い技術を展示しているところもあり、見逃せないが、すべてをじっくり見るには時間が足りないというジレンマがある。

また、これまで何度か誌面で取り上げられてきたExaScaler/PEZYがTop500、Green500に挑戦する。小企業の挑戦がどこまで通用するのかも興味深い。

マイナビニュースでは引き続き、SC14での発表、展示をカバーして行く予定である。