Hondaとゼネラル・エレクトリック社(GE)による合弁会社であるGE Honda エアロ エンジンズは10月20日(米国時間)、航空機用ターボファンエンジン「HF120」のサービス体制の構築など、販売開始に向けた準備の進捗を発表した。

航空機用ターボファンエンジン「HF120」

同社は今年5月にHF120の修理およびオーバーホール拠点として米国ノースカロライナ州バーリントンにあるホンダ エアロ インクを選定したと発表した後、米国・カナダ・メキシコ・欧州各地域での顧客サポートに向け、認定サービス拠点の構築を進めてきた。

また、メーカーの保証期間・保証範囲を超えた定期点検・定期交換や故障時の修理・交換を保証する「エンジンメンテナンスケア」(EMC)プログラムが提供される。このプログラムには、包括的な保守内容を提供する「EMC2」と主に部品を提供する「EMC」の2つのコースが設定されている。

HF120エンジンは、2015年第1四半期に販売開始のホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company)製のHondaJetに搭載される。現在、GEで生産されているHF120はホンダ エアロ インクへ生産を移管する準備が進められている。

あわせて、シエラ インダストリーズとの共同プロジェクト「サファイア プログラム」も発表された。このプログラムは、セスナの中古機体(ビジネスジェット サイテーション525シリーズ)に搭載されているエンジンをHF120に載せ換えることにより、機体の性能改善と価値向上を目指すもの。

同日、ホンダ エアクラフト カンパニーはHondaJetの量産1号機が完成したことを受け、顧客へのデモンストレーションフライトを開始したことを発表した。

これまでに米国のユタ州ソルトレークシティー、アイオワ州デモイン、ノースカロライナ州グリーンズボロ、カナダのカルガリー、エドモントン、トロントにおいて延べ100人以上の顧客およびディーラー関係者を乗せて体験フライトが実施されたという。今後、米国テキサス州サンアントニオ、フロリダ州フォートローダーデール、メキシコのモンテレーおよびトルーカなどでも開催される予定。

顧客向けのデモツアーに使われたHondaJet

コロラド州での飛行試験の様子