
キオクシアHDの動きが1つの象徴に
日経平均株価は6万円から6万5000円というボックスに入っていましたが、2026年5月27日には、6万5000円の壁をも突破し、6万6428円という新高値を付けました。
ただ、あまりにもピッチが速いので、調整局面あって然るべきという雰囲気になっています。そして今回の急ピッチの上昇を引っ張ってきたのがキオクシアホールディングス(東証PRM 285A)やソフトバンクグループ(東証PRM 9984)などの半導体、AI(人工知能)関連銘柄でした。
日経平均株価のボックスは5月27日、26年に入って半年足らずで6万5000円から7万円というゾーンに入ってきました。そのため市場関係者全体が「速す
ぎる」という感覚を持ち始めており、調整局面の可能性が高まっています。
株価上昇の象徴的な銘柄が前述のように、キオクシアホールディングスです。5月27日には新高値を付けたものの、引けにかけて急落という動きでした。
新高値で一時、三菱UFJフィナンシャル・グループ(東証PRM 8306)の時価総額を上回りましたが、さすがに「行き過ぎ」ではないかと市場に警戒心が出てきています。
波動から見ると、今回の短期波動の出発点は5月20日の安値、5万9292円ですが、5月27日の6万6428円まで7136円上げました。この3分の1押しが最初の下げ目途ですが、これが6万4000円近辺です。半値押しとなると6万3000円近辺です。
ピッチが速すぎて、相場は一休みしたいところですが、5月29日の週末、日経平均株価はザラ場で1751円高と続伸しています。
もし、この急ピッチの上げにブレーキがかかるようなら、そのきっかけは何になるか。今の日米の株高は、イラン問題が停戦、または終結の方向で合意するのではないかということを織り込んでいますが、そうではなかった時には株価は急落します。
停戦に合意できず、トランプ大統領がイランの核施設の攻撃を再びするということになると、株価は急落するでしょう。
また、6月中旬には株価が転機を迎える可能性があります。その要因は、まず6月12日にイーロン・マスク氏率いるスペースXの上場です。この銘柄は人気化する可能性がありますが、上場後も株価が上がるとなると、そこがいわば一極集中の人気となり、当面のヤマ場、ピークとなります。
今回、スペースXの上場にあたっては、個人投資家に約3割配分します。マスク氏は個人投資家に買ってもらって、テスラに乗ってもらおうという思惑もあるのかもしれません。どちらにしても、スペースX上場で日米の株式市場が過熱気味になるかもしれませんので要注意です。
それに加え、6月15日に日本では金融政策決定会合が行われますが、ここで0・25%の利上げが実施される可能性があります。この時にどの程度に円高になるかです。先日来日した米ベッセント財務長官は、日本に円高ドル安を求めた可能性もあります。
つまり、今回は6月中旬にマーケットに大きな影響を与えるイベントが2つあるということです。もし、それまでに株価が上がっていたら、一旦キャッシュアップし、天下の形勢を見るのが得策かもしれません。
イラン情勢の先行きも不透明です。トランプ大統領は非常に楽観的な情報を流していますが、その通りにならない場合には、日米ともに、かなり厳しい下落があり得ます。
ただ、中長期的には前回までに指摘してきたように、トランプ政権、高市政権による大インフレ政策、積極的な財政出動、金融緩和、規制緩和などで株高が続くと見ています。ただし、5月に入ってからの急ピッチな上昇の調整が入る可能性がありますが、キオクシアホールディングスの株価次第です。
ハイテク株とバリュー株は表裏の関係
今回の短期の急ピッチな株価の上昇は半導体、AI関連に偏った上昇ですから、いずれ、この反動売りは避けられません。また、この間、バリュー株は下落が続いてきましたが、その要因はわかりやすく言うと三菱重工業(東証PRM 7011)を売って、キオクシアHDを買ってきたからです。
投資家は、このような「循環買い」をしていますから、キオクシアHDなど日本のハイテク銘柄が天井を付けたら、バリュー株は上昇してくるでしょう。
ただし、米国の株はナスダック指数、S&P500が最高値を付けるなど、引き続き強いものがあります。今後も米国株式市場を牽引するテック企業群「マグニフィセント・セブン」の株価が上昇するなら、日本の半導体、AI関連にも資金が集まるでしょう。
月が変わって、6月1日の相場では引き続き、キオクシアHDに人気が集まり、新高値を更新しています。ソフトバンクグループも続伸、まだまだAI・ハイテク株相場が続きそうです。
日経平均も6万8000円台を突破し、史上最高値を付けています。今後、米国・イスラエルが再びイランを攻撃するなど、予想外の地政学リスクが発生しない限り上昇が続きそうです。
ただ、前述のように、急ピッチな上昇に対して、相場のプロは警戒心を強めています。一部のアナリスト、経済評論家などから、かなりの楽観論が出てきていますので、ここは弱気になる必要はないですが、全力投球は避けたいところです。半身の構えが良いかもしれません。