Mentor Graphicsは7月9日、自動車システムアーキテクチャおよびハードウェアのリファレンスプラットフォームを展開する独XS Embedded(XSe)を買収したと発表した。
XSeは、カーエレクトロニクス設計業界において、過去10年以上にわたり20件にも上るハードウェアおよびソフトウェアの専門知識を集約させる自動車開発プロジェクトに携わってきた直接的な実績を持ち、オートモーティブグレードのハードウェアとソフトウェアを提供することにより、システム設計と検証を加速させるというアプローチをもたらし、量産開始(SOP)までの時間を短縮してきた。今回の買収により、Mentorは、ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)、ドライバ情報システム(DIS)やインフォテイメントなどの個々のドメインを統合する方向にあるトレンドを具現化する際に求められる、機能横断型コラボレーションに対応する体制が整ったとしている。
XSeは、実製品に限りなく近いレベルの見本品質を実現したリファレンスプラットフォームをTier1サプライヤに提供するという新しいアプローチを採っている。Tier1サプライヤは、このユニークなオートモーティブレディのリファレンスプラットフォームを活用し、SOPまでの時間を大幅に削減できるだけでなく、アーキテクチャの最適化の改善やソフトウェアの分割、最終的には設計コストの削減を実現できる。この達成のために、XSeは主要半導体ベンダーとパートナー関係を構築しており、Texas Instrumentsの「Jacinto 6」プラットフォームをベースにした「XS AXSB」など、オートモーティブグレードのハードウェアを提供している。また、同時にハードウェアに対してすぐさま移植、最適化できるように設計された柔軟なソフトウェアスタックである「XS OPTstack」に代表される最適化済みIPの統合も行っている。