Q:「日本のアニメのロボットの中で、デザインがかっこいいと思うもの」は何ですか?(画像は「実物大ARエヴァンゲリオン」)

アニメのモチーフとして欠かせないロボットもの。鉄腕アトムのように心を持ったロボットや人が乗り込んで操縦する巨大ロボットなど、デザインにもいろいろなタッチがあります。こうしたデザインはもともとアニメーターの仕事の範囲にありましたが、1970年代後半にメカニックデザイナーという専門職に分離。それ以降、スターデザイナーの誕生とともに多彩なロボットが誕生しました。

そこで、日本在住の外国人20名に、「日本のアニメのロボットの中で、デザインがかっこいいと思うもの」を聞いてみました。

■ガンダム。(シリア/30代前半/男性)
■ガンダム。(インドネシア/30代後半/男性)
■あまりありませんがガンダムは知っています。(オーストラリア/40代前半/男性)
■ガンダム。(イギリス/40代後半/男性)
■ガンダム。(韓国/40代後半/男性)
■ガンダムがかっこいいです。(ロシア/20代後半/女性)

大人気のガンダムは1979年生まれ。ロボットを「モビルスーツ」という兵器として扱ったことで「リアルロボットもの」の先駆けとなった作品です。実は、メカデザインを行った大河原邦男氏の初期案では、顔には鼻と口があり機体も青かったそう。そこに監督の富野由悠季氏らの意見が加えられ、現在のデザインへとまとまりました。

■UFOロボ グレンダイザー(フランス/30代後半/男性)
■鋼鉄ジーグ(イタリア/30代後半/女性)

ロボットアニメには外国に輸出されたものも多く、地域によっては国内以上に人気を得る場合もありました。色づかいや細部のデザインがマジンガーの系譜を引くと言われている「グレンダイザー」は、永井豪氏が原作。フランスでは「Goldorak」として放送され、当時の視聴率は平均75%、最高で100%(!)だったというから驚きです。また同じく「鋼鉄ジーグ」はイタリアで大ヒット。エヴァンゲリオンと並ぶ人気で、本国ではルノーのCMにも登場しています。

■マクロスです。(アメリカ/30代後半/男性)
■マクロス。(スペイン/30代後半/男性)

マクロスは、1982年から放送された「超時空要塞マクロス」に登場する宇宙戦艦。「要塞艦」から「強攻型」と呼ばれる人型戦艦に変形(トランスフォーメーション)するシーンに心を躍らせた人も多いのでは。SF関連のグラフィックを手掛けるなどロボットアニメを支えてきた「スタジオぬえ」の企画だけに、リアリティのある精巧なデザインが注目を集めました。

■エヴァンゲリオン。(インドネシア/30代前半/女性)
■エヴァンゲリオン!!!(ポーランド/20代後半/女性)

1995年放送。その斬新なストーリーとデザインで放送終了後に注目され、90年代以降のアニメブームをけん引した作品の核的存在です。厳密にはロボットではなく人造人間。「汎用人型決戦兵器」と呼ばれるそのデザインは、TV版の零~4号機をマンガ家の山下いくと氏、劇場版に登場した量産機をアニメーター(劇場版メカ作画監督)の本田雄氏が手がけています。またこのデザインの着想は、PCエンジン版「超兄貴」に登場する「エル&トポ」から得たのだとか。

■鉄腕アトム(ペルー/40代後半/男性)
■ドラえもん(トルコ/20代後半/女性)
■アナライザー(スリランカ/50代後半/男性)

こちらは等身大ロボットに対する回答です。アナライザーは「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」に登場する調査分析用ロボット。キャタピラーやメーターなど見た目こそロボットらしいデザインですが、アトムやドラえもんのように情緒を持った存在として描かれています。こうした等身大ロボットは、元から現実にあるものをモチーフとしているだけに、デザインも親しみ深いものが多いですね。

■ロボット系のアニメはかっこいいと思いません。(中国/30代前半/女性)
■アニメやロボットには興味がありません。(スウェーデン/40代後半/女性)
■そのようなアニメには興味がありません。(ブラジル/50代前半/女性)
■全然知らない。(ベトナム/30代前半/女性)
■よくわかりません。(ドイツ/30代後半/男性)

「興味がない」という回答もちらほら。日本でもロボットアニメに興味がない女性は多いのですから、こうした結果が出るのも仕方がないのかも。

かつてはアニメの中だけの存在だったロボットたち。今ではお台場に実物大のガンダムがあったり、回答にはありませんがパトレイバーの「イングラム」が街中に登場したりと、夢が現実になりつつある状況です。こんなことが実現できるのも、当時から精巧なデザインが施されていたからこそ。2次元にあったデザインのクオリティの高さを自分の目で確かめることができるなんて、すごい時代ですよね。