Texas Instruments(TI)は、サンプリングレート4GSPSで、最大8Gbpsのデータ・コンバータ向けシリアル・インタフェース標準のJEDEC JESD204Bをサポートした高速12ビットRFサンプリングA/Dコンバータ(ADC)「ADC12J4000」を発表した。

同製品は、同社の既存のギガ・サンプルA/Dコンバータ関連の設計資産(IP)と、デジタル・フィルタやダウン・コンバージョン機能を提供する低消費電力デジタル・プロセッシング・ブロックを活用することで、3GHz超の入力帯域幅でRFサンプリングが可能ながら、消費電力は競合製品の50%となる1.9Wを実現。

総デシメーションは4/8/10/16/20/32xで、通常はFPGAによる処理が必要な外部シグナル・コンディショニングの一部を実行可能なため、80%帯域幅で約80dB、85%帯域幅で44dB、90%帯域幅で24dBの減衰が可能であり、各種用途において、より低いデータレートで、より高い周波数の信号のフィルタリングを実現することができる。

また、ノイズ対電力比48.5dB、ノイズフロア-149dBFS/Hzを実現しており、3GHz±IF(中間周波数)の信号に対して高い直線性を提供するため、より高い周波数でのサンプリングが可能となっている。

なお、同製品は、10mm角の68ピンQFNパッケージを採用しており、-40℃~+85℃の工業用温度範囲をサポートしている。すでに量産出荷を開始しているほか、同製品とピン互換の2700MSPSの「ADC12J2700」や、1600MSPSの「ADC12J1600」も、サンプル供給を2014年第1四半期より開始し、量産出荷を2014年第3四半期に開始する予定だとしている。

高速12ビットRFサンプリングA/Dコンバータ(ADC)「ADC12J4000」のパッケージイメージ