クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの活動母体であるコモンスフィアは、2013年晩夏にリリース予定の同人活動に関する著作権の意思表示ツール「同人マーク(仮)」について、デザイン案を募集している。募集締め切りは7月28日0:00まで。

コモンスフィアWebサイト内の「「同人マーク(仮)」のデザイン案の募集のお知らせ」ページ

同人マーク(仮)は、日本における二次創作文化を保護および促進するための試みとして作成されるもの。著作権者が自身の作品の二次創作を認める場合、このマークを作品に表示することで、二次創作を行う側がより安心して作品の販売を行うことが可能になる。このマークの選考委員会には、漫画家、Jコミ代表の赤松健氏、講談社週刊少年マガジン編集長の菅原喜一郎氏、コモンスフィア理事のドミニク・チェン氏、明治大学特任教授、東京大学名誉教授、コモンスフィア理事長の中山信弘氏、弁護士、日本大学芸術学部客員教授の福井健策氏が名を連ねており、「少年マガジン」掲載の赤松氏による新連載の漫画作品から、このマークが順次採用される予定となっている。

また、同人マーク(仮)のデザインは、「(1)作家が自分の作品について付けるもの」、「(2)第三者による二次創作同人誌の配布を同人誌即売会で行うことを認める(ただし、デジタルデータは除く)という意思表示」、「(3)もとの作品の全部または一部をそのままコピーして配布することは認めない(二次創作のみ許容する)」という3項目の基本コンセプトを視覚的に表現することが求められている。応募はメールによる画像の送付で行う。色は黒一色のみ、国際的に利用されるため日本語は不可など複数の応募条件があるため、詳細は同団体のWebページを参照してほしい。ちなみに、二次創作のためのマークではあるが、これ自体のデザインを既存作品の二次創作として作成することは不可となっている。

なお、このマークの創設の背景には、日本のTPP(環太平洋連携協定)への参加により、著作権侵害が非親告罪化される可能性が懸念を呼んでいることがある。加えて、現在同団体が普及に努めている、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは作品の純粋なコピーを前提としているため、日本の同人文化では使用しにくいことから、新たな意思表示のマークが作られることとなった。