ルネサス エレクトロニクスとベルギーImecは6月14日、8nm CMOSプロセス技術を用いた複数の無線規格対応RFレシーバおよびLTE-advanced、次世代Wi-Fiをはじめとする広帯域通信規格向けA/Dコンバータ(ADC)を開発したと発表した。

同成果は、6月14日までの期間で京都市で開催されていた半導体回路技術に関する国際会議「2013 Symposium on VLSI Circuits」にて発表された。

今回の28nm CMOS技術を用いたRFレシーバは、400MHzから6GHzで動作する高線形なソフトウェア無線レシーバで、100MHzまでのチャネル帯域幅に柔軟に対応することが可能。新規の設計、およびアーキテクチャを採用することで、+5dBmの帯域外IIP3と0dBmの妨害波耐性を維持しつつ、0.9Vの低電圧動作を実現したほか、1.8dBの雑音指数と、0.6mm2の占有領域、40mW以下の消費電力を達成したという。

一方の28nm CMOS技術を適用したADCは、410MSps、11ビットのダイナミックパイプラインSAR(逐次比較型)ADCで、410MSps時のピークSNDRは59.8dB、消費電力は2mWを達成したとする。

また、新規アーキテクチャとデジタルキャリブレーション技術を採用することで、高い電力効率を実現したほか、キャリブレーションエンジンを含む専有面積で0.11mm2を実現したとする。

なおルネサスでは、今後もImecとの協業を通じて、先端技術の開発を進め、競争力の高いIPコアやソリューションの提供を行っていく方針としている。