東北大学 大学院環境科学研究科とDOWAホールディングスは1月9日、カーボンナノチューブ(CNT)を応用した冷陰極電界電子放出型(フィールドエミッション)低消費電力発光デバイスを共同開発したと発表した。

同デバイスは、冷陰極として使用したCNTから放出された電子が陽極の電子線励起蛍光体を発光させるもの。今回、核心技術であるCNT冷陰極の形成プロセスにおいてブレークスルーに成功し、平面発光デバイス作製の基本技術を完成させたという。

このメカニズムにより、少ない電力で長時間、安定して高い輝度効率で発光する省エネ照明デバイスが実現できるようになるほか、発光面をフラットな面形状にできることから、将来的には点光源であるLEDなどとは異なる大面積平面照明デバイスの用途展開を図ることにより、従来の照明の概念を変え得る平面照明器具としての商品化が期待できるとコメントしている。

東北大学とDOWAホールディングスは、2004年4月に包括的研究協力協定を締結するとともに、DOWAホールディングスが同研究科に寄附講座として環境物質制御学講座を設置し、密接な協力関係を築き上げてきた。今回の成果は、これらを基盤とした両者の共同研究成果の1つ。現在、同デバイスの実用化に向けた技術開発を行っているという。

開発したカーボンナノチューブ(CNT)を応用した冷陰極電界電子放出型(フィールドエミッション)低消費電力発光デバイス