アイディア勝負の予選デモンストレーション
さて、まずは初日、9月26日(土)に開催された予選デモンストレーションの様子からお伝えしよう。
前回の「第15回ROBO-ONE IN 川崎」は各地の認定大会で出場権を獲得した選手が参戦できる軽量級選抜大会だったため、予選が実施されるのは昨年の「第14回 ROBO-ONE IN ROBOJAPAN 2008」以来ほぼ1年ぶりとなった。各ロボットが自律動作のみで2分間のアピールを行うのは従来どおりだが、第14回まで予選前に実施されていた「参加資格審査」は廃止され、エントリしたチームはもれなくデモを行うことができた。
毎回変更される規定演技は「どんな道でも歩く」と「2足歩行ロボットがまだやったことがないこと」という2テーマ。第14回では「3連続回転ジャンプ」を規定動作とし、「規定動作を取り入れたダイナミックなダンス」が規定演技とされたが、今回は規定動作なしで自由度の高いテーマ設定だったため、参加チームのアイディアがより試されることとなった。
今回の「ジャパンロボットフェスティバル(JRF) 2009 in TOYAMA」の取材は筆者1人で現地入りしたため、終日続くROBO-ONEについては、他の展示ブースや「カンファレンス・セミナーゾーン」でのトークショーの合間を縫っての観戦となった。そのため残念ながらごく一部だが、以下にデモの様子を画像でご紹介しよう。少しでも雰囲気が伝われば幸いだ。
デモを行ったロボットたちは、サイズだけでなくそのタイプも"無差別級"の趣があったようで、一般的な金属フレームむき出しのもの以外に、ガンダムのプラモデルにサーボを組み込んだ機体もいくつか見受けられた。ニコニコ動画やYouTubeに投稿された動画"珈琲を淹れさせてみたのだが…"で話題となった「雛(夢邪鬼)」(7位で予選通過するも故障で決勝棄権)や、リアルな等身大サイズで注目された「メイドロイド0号試作機 ROBO-ONE仕様(メイドロイド ラボラトリー)」(機体規定をクリアできずエキシビジョンとしてデモを披露)など、"ドール系"の機体も彩りを添えていた。
他にも、例によってYouTubeには有志の撮影した動画がアップされているので、興味のある方は「ROBO-ONE 16」で検索してみてほしい。
予選デモンストレーションは400点満点で採点され、上位32チームが決勝トーナメント進出となったが、予選通過最下位の34位(2チームが決勝を棄権したため繰り上げ)の得点は110点。観客を驚かせる高度なデモが多数見られた一方、規定演技のできが多少怪しくても予選通過できたようだ。
そんな中、355点を叩き出しダントツの1位で予選通過したのが、第14回ROBO-ONEのチャンピオン・前田武志氏による新型機「OmniZero.9」だった。前田氏は第14回でも身長90cm・体重19.2kgの超大型機「OmniZero.7」で参戦して重量級優勝と総合優勝を果たしたのだが、今回の「OmniZero.9」は105cm・25Kgとさらに大型化。しかも、ただ大きいだけではなく、巨大なサイズに意味を持たせたデモを披露した。
リング外からデモをスタートした「OmniZero.9」はなんと車両形態に変形。肩と膝に仕込まれたホイールでリングにかけられたスロープを上って見せた。これだけでも驚きだが、リング上で2足歩行形態に戻ると今度は前田氏を乗せて歩いて見せ、会場の度肝を抜いた。
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前田氏はヴイストンの取締役で、同社の大型ロボット「ティクノ」シリーズなども手がける、言わば"本職"ではあるが、それを差し引いても個人で設計・製作した2足歩行ロボットが人間を乗せてみせたのは大ニュースと言ってよいだろう。
今大会では予選デモンストレーションに関しても、上位者には賞金が出されることになり、前田氏は1位の賞金として50万円を獲得した。
続く2位は「Kinopy(小田利延)」。芝生上の歩行、木琴を叩きながら歌うデモを行い321点、賞金10万円。
3位は「ハンマーヘッド(大阪産業大学歩行ロボットプロジェクト)」。こちらは階段6段分の一気上り、弓矢を打つデモで250点、賞金5万円を獲得した。
また、協賛各社提供による予選各賞も選出された。サンライズ提供のアイディア賞はガンダムの外装を持つ「automo 06(Wakka)(holypong)」が受賞し、奨励金10万円が贈られた。その他、主な賞としては、ソフトウェア賞は予選3位の"ハンマーヘッド"がW受賞、ものづくり賞は「ギンかじろう(ナベ☆ケン)」、エンターテインメント賞は「雛(夢邪鬼)」が受賞した。


