半導体/FPD/太陽電池製造装置大手のApplied Materials(AMAT)は、ドイツで開催された「PVSEC(太陽光発電会議および展示会)」において、結晶系太陽電池および薄膜系太陽電池の将来に向けた技術ならびにビジネスロードマップを提示したことを明らかにした。

世界における太陽電池市場の成長予測

これによると、結晶系太陽電池では、パネル生産における新たなプロセス工程の導入や自動化により製造コストが下がっているとしている。現在の一般的な結晶系太陽電池製造工場は、ウェハの処理枚数は約1,500枚/時であり、パネルの変換効率は16%程度、生産ラインの停止率は大きくとも2%だと同社ではしているが、これが2012年には装置の改良と工場のフルオートメーション化により、生産能力は約3,000枚以上/時、変換効率20%以上、ライン停止率は従来比半分以下になることが見込まれるという。

現在と2012年の結晶系太陽電池の技術比較

一方、薄膜系太陽電池では、同社のターンキーソリューションである「SunFab」のラインの改良が進んでおり、現在のタンデム型のパネルの変換効率9%強(アパーチャ面積あたり)に対し、「2010年の変換効率10%で製造コスト1ドル/Wの達成に向けて、すでに研究室レベルではこの目標変換効率を実現する段階に達している」(同社最高技術責任者(CTO)兼エネルギー・環境ソリューショングループのジェネラルマネージャであるマーク・ピント氏)としており、2012年までには0.70ドル/W以下のモジュールコストで12%の変換効率を実現するパネルの投入計画もあるとする。

タンデム型薄膜系太陽電池の変換効率向上に向けたロードマップ

薄膜系太陽電池のコスト削減に向けたロードマップ

なお、同社では将来的に結晶系太陽電池製造装置の市場シェアにおいて55%以上を獲得することを目指すとしている。

太陽電池の現在と2012年での生産コスト比較