映像クリエイターや、映画好きなら知っているであろう映画制作会社「DreamWorks」。DreamWorksの名前を知らない人でも、映画「シュレック」(2001)や、「カンフーパンダ」(2008)、「マダガスカル2」(2008)といった彼らが生み出したCGアニメ作品タイトルならわかるという方も多いのではないだろうか。この世界的に有名な映画制作会社DreamWorksに足を踏み入れることができた。

DreamWorksの正面玄関。この会社にも日本人クリエイターが数名在籍しているという

DreamWorksに招待された記者は、アメリカをはじめ、日本、中国など世界中の記者総勢約150名。当初予定されていた制作現場への取材は、急遽中止となってしまったが、同社が制作した最新3DCG映画「モンスターVSエイリアン」を鑑賞することができた。この映画は7月11日から日本でも公開されることが決定している。

(C)Monsters vs. Aliens 2008 DreamWorks Animation L.L.C.

同社は、2002年2月にHPとITパートナーの正式な契約を交わして以降、HPのワークステーションを採用し、AutodeskのCGソフト「Maya」をメインツールとして作品を制作し続けている。また作品制作体制だが、常に平均2本~4本の作品を同時に制作しているという。HPのワークステーションを採用している理由についてDreamWorksの広報部は「2002年以前に保有していたUNIX用のアプリケーションをLINUXへポーティングする際にHPのワークステーションが広範囲にわたりサポートすることができたことや、パフォーマンスのチューニングを迅速に行ってくれたことが主な要因に挙がられます。またHP製品の性能の良さとシステムの安定性について、とても信頼しています」と語った。

総合受付の様子。カンフーパンダの人形や、日本でも今夏公開される映画「モンスターVSエイリアン」の大きなボードが展示されていた

一方、HPの日本を含むアジア太平洋地域(Asia Pacific and Japan)のパーソナルシステムグループ コマーシャルシステムユニットのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるDennis Mark氏はDreamWorksとITパートナーを結んだ意義について「DreamWorksに所属するハイエンドなワークステーションのユーザが3DCGや、アニメーションを制作する際に、どういった機能が必要かということを学ぶことができます。また実際の制作現場でワークステーションがどういう使われ方をしているのかを知ることができます。このふたつの点が主に我々のメリットになると考えています。そのほかにも、DreamWorks所属のクリエイターが、ワークステーションの性能だけでなくデザインについても、どう改善したら良いかということを教えてくれます。DreamWorksと提携することにより、今後も様々な形でワークステーションを改良していくことができると考えています」とコメントした。

多くの木々が生い茂り、噴水や、大きな池があるなど、DreamWorksの仕事環境は会社とは思えないほど自然が溢れていた

広い敷地内にはレストランなどの飲食可能な施設が整っており、社員は基本無料で飲食することができるという。また卓球台などの遊具も完備されており、我々が取材に伺った際も、社員らしき方たちが仕事の合間に卓球を楽しんでいた。このように世界トップレベルのアニメーションが創造される現場はとてもリラックスした空間で構築され、時間の流れもとても穏やかに感じた。DreamWorksは、クリエイターという集中力と創造力を必要とする職業に就いている者にとって、最高の環境で映像制作に打ち込むことができる場所なのだと実感することができた。

左からキャンパス内に貼られたモンスターVSエイリアンのポスター、卓球を楽しむDreamWorksの社員らしき人たち、少し分かりづらいがDreamWorks制作の映画冒頭部分に必ず登場する少年の形に剪定されたオブジェ、キャンパス内にはコーヒーチェーンのスターバックスコーヒーも入っていた