富士通研究所とFujitsu Laboratories of Americaは2月12日、サーバを複数組み合わせて高性能化するブレードサーバの通信経路として利用されるバックプレーンにおいて、毎秒10Gbpsでの伝送を実現する、多チャネル高速送受信回路を開発したことを発表した。

富士通研究所らが開発した高速送受信回路

バックプレーンで10Gbpsの伝送を実現する高速送受信回路では、バックプレーンで発生する伝送損失の補償とともに、クロストークや反射などに起因するノイズの低減が求められていた。従来は、十分な伝送損失補償を行なうためにイコライザ回路を多段にしなければならず、消費電力、実装面積、ともに大きなものとなっていた。

今回、2種類の異なるイコライザ回路の特長を活かした、伝送損失による信号の歪みを最小化する新しい受信イコライザ制御方式を開発、受信イコライザ回路に搭載した。この回路により、10Gbps伝送の多チャネル化を可能となるほか、イコライザ回路を多段にする必要がなく、高速化、消費電力の低減、バックプレーン伝送に必要な損失補償能力の達成、ノイズの低減を両立させることが可能となった。また、従来必要であった行列の乗算が不要となり、スカラ加減算で済むため、簡単な論理回路で構成でき、小さな面積に実装することが可能となった。

同回路技術を用いて4チャネルの10Gbps送受信回路を、90nmプロセスで試作。バックプレーン経由で10Gpbsの伝送が行なえることを確認した。

同技術を用いた場合、従来技術を用いた同等性能の回路と比べ、送受信回路のうち、受信回路部分において面積を約1/2、消費電力を約1/4にできる。また、送受信回路の規模が多チャネル化を可能とする実装面積となり、4チャネル化により性能を4倍にすることができる。これにより、10Gbpsのバックプレーン伝送を多チャネル化することができ、10Gbpsを超える伝送を実現することができるようになるという。

なお、今後は、同回路を高性能スイッチを実現するLSIに搭載することで、高密度実装・高速伝送が要求されるブレードサーバ製品に適用する計画としている。また、40Gビットイーサネットへの対応も可能であり、より高性能化、高密度化、低消費電力化が求められるサーバシステムへの展開を図っていくとしている。