Wind Riverの日本法人であるウインドリバーは、同社のRTOS(リアルタイムOS)「VxWorks」のバージョン6.7の提供を開始することを発表した。

同バージョンでは、システム設計者はAMP(非対称型マルチプロセッシング)またはSMP(対称型マルチプロセッシング)のいずれかに最適なマルチコアの設計構造を選択することができるようになる新たな設定機能、ビルド機能、デバッグ機能、シミュレーション機能を提供するツールセットが搭載されている。それらの各ツールを使用することで、マルチコアベースのデバイスを効率よく開発することが可能になる。例えば、開発環境である「Wind River Workbench」は、デバイス製品の市場投入までの時間を短縮することを目的に設計された、デバッグ処理、コード分析および検証処理用のEclipseベースのツールセットで構成されているという。

また、Workbench On-Chip Debugging Edition(Workbench OCD)は、ホスト開発環境とターゲットデバイスとを、デバイス上のJTAGボードまたはオンチップデバッグ用インタフェースを介して接続し、ハードウェアの立ち上げ、ファームウェアの開発、デバイスドライバおよびボード・サポート・パッケージ(BSP)の作成を効率よく、かつ効果的に行うことが可能となっている。

さらに、SMPおよびAMP対応システムのデバッグおよび開発向けに増強された開発ツール群や、マルチコアプロセッサ上でのワイヤスピードのパケット処理を最適化する、ネットワークオフロードへのサポート、ユニコアおよびマルチコア双方のプロセッサに対するハードウェアの最適化、WiMAXおよびLTEアプリケーション向けに拡張された4Gネットワーク対応の拡張機能などが施されている。

同バージョンのVxWorkは、「General Purpose Platform, 3.7」「Platform for Automotive Devices, 3.7」「Platform for Consumer Devices, 3.7」「Platform for Industrial Devices, 3.7」「Platform for Network Equipment, 3.7」の各プラットフォームに搭載されるほか、オプションとして1つのコンポーネントでAMPおよびSMP双方のマルチプロセッシング機能を実現するVxWorks 6.7マルチプロセッシング向けオプションパッケージ「VxWorks 6.7 Multiprocessing Add-on」が提供される。