国民生活センターはこのほど、出会い系サイト被害に関する相談件数が、2007年度に約3万件に達したと発表した。相談の中には、無料の占いサイトや懸賞サイトに登録したつもりが実は出会い系サイトで、高額の利用料を払わされる結果となった事例などが多くみられた。

2004年度から2007年度までの出会い系サイトの利用料金などに関する相談件数(出典:国民生活センター)

同センターによると、出会い系サイトの利用料金などに関する相談は、2004年度には約5万件、2005年度は約3万件、2006年度は約2万4,000件と減少しつつあった。だが、2007年度には、2万9,932件と前年度比25%の増加となった。

同センターによると、無料の占いサイトや懸賞サイトに登録したつもりが実は出会い系サイトで、料金を請求されたケースが相次いでいる。

南関東に住む30代の女性は、無料の占いサイトに登録したところ、出会い系サイトからメールが届くようになり、「女性無料」とあったので興味本位に利用。途中で有料に切り替わったが、「会ったときにポイント代は肩代わりする」「直接のメルアドを今度教える」などとメールの交換相手が言うので利用を続行。

結局、ポイント代は自分が支払ったまま、会う直前にはいつもドタキャンされ、「メールの相手はサクラではないかと思うようになった」という。この女性は現在、同サイトに100万円の借金がある。

また、山陽地方に住む20代の女性は、無料の懸賞サイトに登録したところ、400万円の懸賞に当選したというメールが届いた。賞金を受け取るために必要といわれ、出会い系サイトに個人情報を登録。

だが、「サーバに故障があった」「手違いがあった」などとされ、何度もメールをやり取りするうち、サイト側から利用料として10万円を請求された。10万円はカード決済で支払ったが、「結局賞金は振り込まれなかった」という。

国民生活センターによると、被害に遭った相談者の性別では、2004年度は男性87%、女性12%だったのに対し、2007年度は男性63%、女性36%と女性の割合が4年間で急増。上記の事例を見ても、女性の被害が目立つ。

同センターでは、「無料という言葉に気を許しがちだが、なぜ無料なのかをよく考えてほしい。無料だからといって安易にアクセスせずに、不用意に個人情報を入力しないでほいい」と呼びかけ。

また、「サイトを利用した事実があっても、利用規約に明記されていない名目の料金については支払い義務はない。不安なことや困ったことがあれば消費生活センターに相談してほしい」と話している。