毎日コミュニケーションズは28日、"人間を知るためのロボット研究"をテーマとした科学書「アンドロイドサイエンス」を発売した。著者の石黒浩は、大阪大学 知能・機能創成工学専攻の教授であり、世界で最も注目されているロボット研究者である。価格は2,940円。
著者はロボカップ世界大会 ヒューマノイドリーグにTeamOSAKAとして参戦、4度の優勝を果たしていることでも有名。またロボットベンチャーのヴイストン創設者のひとりでもある。これまで、ヒューマノイド「ロボビー」やアンドロイド「リプリー」、自分自身のコピーロボットであるジェミノイドなど、多数のロボットを開発・研究してきた。
本書ではこれら各ロボットについて、どんなことが考えられ、どのような研究がなされたかを紹介。また、ロボットを作ることで人を理解することを目的とした、認知科学とロボット工学を融合した学問アプローチにより、最終的に「存在とは何か? 人間とは何か?」という哲学的問題にも踏み込んだ、新しい研究領域の展望を明らかにしている。
本書は7章構成で、「人間とロボット」「視覚と認識」「人と融合するロボット」などをテーマとした320ページにわたるアンドロイド考を展開。また、「オリジナリティとは」「本物の研究とは」といった研究者の姿勢についても鋭くメッセージを発している。