第3章 Windows 8.1の改良点/インタフェース - 大幅に利用範囲が広がったロック画面
勝手に他者が自身のコンピューターを使わないようにするために用意されたロック画面だが、Windows 8までは、ネットワーク状態やバッテリー状態、電子メールやカレンダーの通知といった基本的な情報しか取得できなかった。しかしWindows 8.1では、タブレット型コンピューターでの利便性を高めるため、ロック画面にいくつかの機能を追加している。その1つがカメラ機能の呼び出し。Webカメラを備えたコンピューターの場合、ロック画面を下方向にスワイプすることで、「カメラ」が直接起動する仕組みが用意された(図101)。
ここで撮影した画像や動画は「ピクチャ \ カメラロール」フォルダーに保存され、設定を変更することでSkyDrive上に自動アップロードすることも可能だ。正面/背面にWebカメラが備わっている場合は<カメラの切り替え>ボタンで利用するWebカメラを切り替え、<タイマー>ボタンを押すことで3秒/10秒/オフとタイマー撮影の切り替えが行える。気になるのはこの「カメラ」を起動する方法がタッチ操作に特化している点。マウス操作が可能な場合はロック画面を下方向にスワイプすれば起動できるが、ショートカットキーなどキーボード操作による起動方法は確認できなかった。
もう1つの新機能がロック画面にピクチャフォルダーやSkyDriveなどへ格納した画像ファイルを、フォトフレームのように表示する「スライドショー」である。同機能は初期状態で無効になっているため、「PC設定」→「ロック画面」と開き、「ロック画面でスライドショーを再生する」をオンにしなければならない。また、バッテリーを備えるコンピューターの場合、「バッテリー電源を使っているときに、スライドショーを再生する」と言う設定項目が現れる。初期状態はオフが選択されていたので、利用状況に応じて変更するといいだろう(図102)。
ロック画面にToast notificationによる通知が現れるのはWindows 8.1でも同じながらも、仕様変更により応答などの操作を行えるようになったのが、Windows 8.1における改善点の1つである。これを利用したのがWindowsストアアプリ版Skypeだ。例えばインスタントメッセージが送られてくれば、通知が現れるのはWindows 8と同様。この通知をクリック/タップしても応答することができないが、ボイス/ビデオチャットによる着信時は<ビデオ><音声><拒否>と各ボタンが加わり、通知に対するリアクションが可能だ。拒否以外のボタンをクリック/タップすれば、Windowsストアアプリ版Skypeが起動し、そのまま通話可能になる(図103~104)。
これらロック画面に関する機能強化は、デスクトップ/ノート型コンピューターではなく、タブレット型コンピューターでの利用を前提としたものばかりだ。ライバルの1つであるiOSがバージョン5.0からロック画面からカメラアプリを起動可能にしたように、Windows 8.1も同様の機能を参考にしたのだろう。
執筆時点では噂の域を出ていないが、7.5~8インチのディスプレイを備えた「Surface Mini(仮称)」など小型タブレット+Windows 8.1と言う環境では、瞬時にカメラを起動する際や、ボイス/ビデオチャットへの応答も利用しやすいはずだ。このようにWindows 8.1では、ロック画面の利用範囲が広がっている。