第5章 Windows 8.1の改良点/システム全般 - 古いWindows OSにとどまるメリットは少ない
冒頭で述べたようにWindows 8.1はWindows 8 Service Pack 1に相当しながらも、その変更内容は多岐にわたる。以前から予定されていたとは言いつつも、多くの新デバイスをネイティブサポートしたのは、大きな変更点に数えていいだろう。加えてWindows 7からWindows 8へダウンロードによるアップデートインストールしたユーザーは、たった3,300円でWindows 8.1へ移行できるのは大盤振る舞いと述べてもおかしくない(同ダウンロードサービスは2013年1月末で終了)。
この背景には、Microsoftがデバイス&サービスカンパニーを目標とすることで、従来のパートナーベンダーが直接的なライバルとなり、"Windows OS離れ"を発言に含まれているからだ。直近ではHewlett-PackardがGoogleと共同開発し、Chrome OSを搭載したChromebookを発表したように、異なるOSを採用する傾向がわずかながら強まっている。Microsoftとしては屋台骨であるWindows OSをてこ入れしなければならいのだ。
Windows 8のリリース後、約11カ月の間にベースを保持しながらも数多くの改良を加えたWindows 8.1の完成度は高い。これまで述べてきたようにデスクトップ環境を中心にするユーザーの利便性も考慮しながら、タッチ操作が中心となるモダンUIも改良し、全般的なブラッシュアップに成功している。あくまでもWindows 7にこだわるユーザーが同OSにとどまることを咎めるつもりはない。それどころか特に不満を覚えず、トラブルも生じていない場合は、そのままで構わないだろう。
だが、現在Windows 8をお使いのユーザーはとどまるメリットがないのは言うまでもなく、新テクノロジーを享受したいユーザーや比較的新しいデバイスを活用する場合は、素直にWindows 8.1へ移行すべきだろう。この結論を持って本稿を閉じることにする。
阿久津良和(Cactus)