日本で住宅を建てるなら、耐震性能を高めていないと何十年も暮らすには不安があります。これから建てられる住宅は、2021年時点の建築基準法で震度7でも倒壊しない耐震性能を有しますが、被害がもっと少なくなる対策を講じられていると安心できます。
そこでこの記事では、耐震についての基本的な知識やおすすめハウスメーカー、ハウスメーカーを選ぶ際のポイントを解説します。大きな地震はいつ起こるか分からず、保険をかけていても補償額だけで正常な状態に戻すことは難しいです。ぜひ参考にして、耐震性能に優れた住宅を建てられるようになりましょう。
耐震性能だけでなく、査定サイトランキングが気になる人、詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。【最新】ハウスメーカー・工務店のおすすめランキング30選比較|坪単価や選び方も徹底解説!
- 耐震、制震、免震の三つの技術を用いて地震に対策を行うハウスメーカーが多く、これらはそれぞれ建物を地震から守るための異なるアプローチを提供します。
- 特に注目されるハウスメーカーとして、三井ホーム、旭化成ホームズ(へーベルハウス)、積水ハウスなどがあり、これらの企業は高い耐震等級を誇り、厳しい耐震試験をクリアしています。
- 耐震性を評価する際には、住宅性能表示制度の評価を参考にすることが重要です。この制度では、ハウスメーカーが提供する住宅の耐震性能を公的に評価し、数値化しています。
理想の家づくり・住まい探しを、専門家に相談しながら進めていきましょう。 ※LIFULL HOME'S 住まいの窓口来場者(390組)を対象とした調査(集計期間:2019年4月~2020年3月)より
高い耐震性能でおすすめハウスメーカー7選
注文住宅の基本的な耐震性能は、依頼したハウスメーカーで決まります。そこで複数のランキング記事を参考に、大手ハウスメーカーのおすすめ7社を厳選しました。それぞれ、どのような耐震性能の住宅を建てられるのか見ていきましょう。
三井ホーム
三井ホームは2×4工法にベタ基礎を採用し、耐震実験では震度7で最大5,000ガル以上の揺れに60回耐え抜いています。またコンクリートより圧縮に強い木材や、8kgの鉄球も受け止められる外壁で建物を守ります。
ブランドのラインナップには3~4階建てに対応したものもあり、都市部の狭い土地でも居住空間を確保することが可能です。3階建てになっても震度7の連続加振に29回耐えており、木のぬくもりに包まれて何十年も安心して暮らすことが可能になります。
三井ホームの口コミ・評判や坪単価について、詳しくは以下の記事で紹介しているので併せて参考にしてください。
旭化成ホームズ(へーベルハウス)
へーベルハウスは鉄骨を使ったハイパワード制震ALC構造を採用し、揺れに強い住宅に仕上がっています。土台は布基礎ですが、一体化していて地震のエネルギーを分散してくれます。深刻な災害が起きなければ、耐用年数は60年以上です。
万が一地震で被害が出ても、保険の旭化成ホームズフィナンシャルや復旧工事の旭化成リフォームと連携し、迅速に対応してもらえます。気になる点は、申し込みするとビデオ通話で相談にのってくれます。
ヘーベルハウスの口コミ・評判や坪単価について、詳しくは以下の記事で紹介しているので併せて参考にしてください。
積水ハウス
積水ハウスは独自の制震技術「シーカス」を採用し、揺れによる建物の変形量を半分以下にしてくれます。制震のために使われるパーツは耐久性に優れ、試験で100年相当の性能と評価されています。
またブランドの1つであるシャーウッドでは耐震性を高めるために、基礎や柱の接合部には独自構造の金物を使い、全方位からかかる力に対応可能です。初期30年保証制度というものもあり、30年間無料で点検してくれます。
積水ハウスの口コミ・評判や坪単価について、詳しくは以下の記事で紹介しているので併せて参考にしてください。
大和ハウス工業(ダイワハウス)
大和ハウスの鉄骨造の住宅では、次の3つの独自技術で震度7クラスに耐えられる住宅を実現しています。
- Σ型のデバイスで地震のエネルギーを吸収する「D-NΣQST」
- 粘弾性体で揺れを抑える「DAEQT D」
- 骨組みが変形する「DAEQT S」
木造住宅ではシームレス構造で耐久性を上げ、強度の高い構造用集成材を使用して耐震性を高めています。家中のエネルギーシステムを管理するD-HEMSも導入すると、スマホだけで現状を確認できて手軽にエコな暮らしが実現可能です。
ダイワハウスの口コミ・評判や坪単価について、詳しくは以下の記事で紹介しているので併せて参考にしてください。
パナソニックホームズ
パナソニックホームズでは、間取りの自由度を高めながら耐震性を確保するために、次の3種類の工法が採用されています。
- 制震鉄骨軸組構造:高層ビル向けの制震技術を住宅向けに適用
- 重量鉄骨ラーメン構造:9階まで対応できる耐震性と精度に優れた高力ボルト接合で建築
- 大型パネル構造:外壁や屋根がパネルで一体化して強度を確保
提供されている地震あんしん保証では、掛け金なしで10年間は1回の地震当たり最大5,000万円の保証をしてくれます。耐震等級3の住宅を建てて安心できる生活を送りましょう。
パナソニックホームズの口コミ・評判や坪単価について、詳しくは以下の記事で紹介しているので併せて参考にしてください。
住友林業
住友林業では、一般的なものの5倍の太さがある柱を構造の主要な部分に使い、揺れによる建物の傾きを抑えています。
ビッグフレーム工法と呼ばれ、広い開口部を確保しても耐震性は保たれています。また剛床パネルやシージング石膏ボード、木質フロアを組み合わせたマルチバランス構法は横揺れに強いです。
間取りや全体のデザインを検討し、専門家と相談しながら理想を実現しやすいほうを選択しましょう。簡単な質問であれば、フリーダイヤルで24時間対応してくれます。
住友林業の口コミ・評判や坪単価について、詳しくは以下の記事で紹介しているので併せて参考にしてください。
一条工務店
一条工務店は耐震等級の最高レベル3よりも、さらに高レベルの耐震性能を目指しているハウスメーカーで、力を面で受けるツインモノコック構造を採用しています。壁・床・天井を強靭に組み合わせ、地震エネルギーによるゆがみの発生を防ぎます。
住宅を建てるときの資材の80%を、現場では実現が困難なレベルの精度と品質管理によって工場生産しているため、職人による品質の差異は少ないことが特徴です。また社内には70万件もの地盤調査データがあり、自社基準で最適な耐震性での建築を期待できます。
一条工務店の口コミ・評判や坪単価について、詳しくは以下の記事で紹介しているので併せて参考にしてください。
地盤は改良工事で強化
どれだけ耐震性のある構造の建物にしても、地盤に問題があれば地震などの影響で建物ごと傾いてしまいます。まず地盤調査が行われ、その結果によって必要があれば構造に適した強度になるように、次の3パターンで改良工事が行われます。
- 表層改良工法
- 柱状改良工法
- 鋼管杭工法
表層改良工法
表層改良工法は地面を1~2m掘り、セメント系固化剤と掘り出した土を混ぜて地盤の強度を上げる工法で、軟弱な地盤の範囲が地表から2m以下の場合に採用されることが多いです。
工事は小型の重機でも可能で、掘り返した土の中にコンクリートや石が混じっていても施工には問題ありません。しかし土地の勾配がきついと施工の難易度は上がり、実績がある所に依頼しないと期待される強度が確保できていないことがあります。
柱状改良工法
柱状改良工法は、地盤にコンクリートなどで作られた柱状の改良杭を打ち込み建物を支える工法です。軟弱な地盤が2m以上8m以下の場合に使われ、建物の面積が広いとその分だけ打ち込む杭の数も増えます。
また階数が高く重量のある建物を建てる場合は、打ち込む杭の深さが一般的な住宅より深くなります。そのため地盤改良だけで1,000万円を超えることがあり、土地選びが重要です。
鋼管杭工法
鋼管杭工法は、基本的なやり方は柱状改良工法と同じで、地盤に打ち込むものが鋼管に変わります。先端にスクリューの付いた鋼管を差し込み、杭の長さは溶接で新しい杭を継ぎ足していき、深さ30mまで補強が可能です。
この工法では地面を掘り返す必要がないため、重機が入れないような狭い道の先にある土地でも、地盤改良ができます。また工期も短く1~2日程度で工事が全て完了します。
土台はベタ基礎にして耐震性能を強化
建物の土台は建物を点で支える布基礎と、床下にコンクリートなどを敷き詰めたベタ基礎の2種類あります。耐震性能を強化したい場合は、面で建物を支えるベタ基礎がおすすめです。
地面がむき出しではないため湿気の影響は建物まで及ばず、シロアリの被害も起きにくいです。その代わり使用される鉄筋やコンクリートの量は増えるため、布基礎よりコストはかかってしまいます。
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耐震性能でハウスメーカーを選ぶポイント
耐震性に定評があるハウスメーカーもいくつかありますが、初めて注文住宅を建てる人はどこにしたらよいのか迷ってしまいます。そこで後悔しないためのポイントとして、次の2つのことを押さえておきましょう。
- ハウスメーカーごとの地震対策を吟味
- 住宅性能表示制度による評価をチェック
ハウスメーカーごとの地震対策を吟味
ハウスメーカーが独自の工夫で地震対策をしても、自身が建てたい住宅ではどれだけ耐震性が期待できるのかを判断することは難しいです。そこで気になるハウスメーカーを複数ピックアップし、担当設計士などから詳しく説明を受けましょう。そのうえで自身が納得できるハウスメーカーを選んでください。
事前に耐震等級3の住宅を建てたいなどの希望を伝え、見積もりも出してもらうと吟味しやすくなります。どれだけ高い耐震性が期待できるハウスメーカーでも、予算内に収まらないなければ変更するしかありません。
住宅性能表示制度による評価をチェック
ハウスメーカーが自社で耐震実験を行って結果を公表していても、他社と実験条件が同一とは限らず、正確に比較することは困難でしょう。そこで役に立つのが、第三者によって耐震性能などを含む住宅の性能を公的に評価した「住宅性能表示制度」ですが、共通の評価基準で住宅の性能を数値化してくれています。
ハウスメーカーの担当者などに頼んで、理想の間取りに近い過去の評価の取得実績を公開してもらえると、どの地震対策が優れているのかが判断しやすいです。一定の基準を超える住宅であれば、減税や補助金の対象にもなります。
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耐震性能に関するよくある質問
まとめ
注文住宅をハウスメーカーに依頼して建ててもらうなら、耐震性は重要な要素です。日本に住んでいる限りは地震のリスクが高く、将来揺れで深刻なダメージを負うかもしれません。どこに依頼しても建築基準法はクリアしていますが、それ以上の安全性を求める場合はハウスメーカーを厳選しなければなりません。
独自技術を採用しているところが多く、住宅性能表示制度を利用しないと客観的な比較は難しいです。まずはおすすめとして紹介したハウスメーカーを足掛かりに、気になるところの担当から詳しい説明を受けましょう。複数社を比較して納得できるハウスメーカーを選ぶことで、耐震性で後悔することはなくなります。
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・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
・https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf
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