所有しているマンションを売却する場合、必ずしも自分の理想通りの取引ができるとは限りません。失敗しないマンション売却を行うためには、これまでの失敗例から学習し、対策を立てて売却を行うことが大切です。
今回の記事では、マンション売却を成功させるために欠かせない5つの対策と、実際にマンションが売却されるまでの流れを分かりやすく解説します。
今後マンションの売却を検討している方は、ぜひ今回の記事を最後まで読んだ上で計画を立てることをおすすめします。
マンション売却の5つの注意点
マンション売却を失敗する原因はさまざまですが、以下の5つの原因に起因するケースが多く見られます。
ここでは5つの失敗例を分析し、マンション売却における注意点をお伝えします。
1.仲介業者選びに注意
マンションを売却する際には、仲介業者を慎重に選定することが大切です。担当者が経験不足で頼りない場合や、そもそもマンション売却を手がけていない仲介業者に依頼して失敗したケースがあるため仲介業者選びには注意が必要です
仲介業者を選ぶ際には、時間をかけて慎重に行うことをおすすめします。マンション売却の経験が豊富であり、親身になって対応してくれる担当者がいる仲介業者を選びましょう。
この記事の後に、「要注意|マンション売却の仲介契約種類も知っておこう!」の詳細をまとめたので、気になる人はクリックしてみてください。
2.価格設定に注意
マンションの売却額を見誤り、相場価格と比較して極端に安い金額で売却してしまうケースがあります。十分に相場をリサーチせず売り急いでしまう場合や、業者とのコミュニケーションが不足して自分の希望額よりも低い売却価格を設定してしまう場合などが多いです。
マンションの売却価格を設定する際は、同地域にある類似物件の売却事例を参考にして、仲介業者と入念に打ち合わせを行うことを心がけましょう。
3.売り出し時期に注意
景気が悪く不動産市場が下落している時期など、高く売れない時期に売り出して失敗する例は多数あります。マンション売却を成功させるためには、マンションの売り出し時期も重要です。
新年度が始まる3月や4月は引越しも多く、1年の中で中古マンション市場が最も活発になります。景気の動向や年間でのタイミングも考慮しつつ、最も高く売れる時期を見極めることがポイントです。
4.内覧の準備に注意
マンションを売却する際は内覧を行いますが、事前に掃除やハウスクリーニングを怠るなど内覧の準備が不十分なため買い手が魅力を感じず、なかなか売れないという事例が多く見られます。
内覧は、マンションの購入を検討している方に実際に物件を見てもらえる絶好の機会です。決して軽視することなく隅々まで掃除を行い、良い印象を抱いてもらう努力が必要になります。
5.売却期間の設定に注意
売却期間を短く設定し売り急いだ結果、相場より大幅に安く売却してしまう失敗事例があります。
マンションを売却するにあたり、価格設定や集客などの重要なポイントは時間をかけて丁寧に行うことが大切です。比較的余裕のある売却計画を立てて、納得のいく売買活動を行いましょう。
マンション売却時の注意点を時系列で解説した記事をぜひご覧ください。

マンション売却の注意点からわかった5つの対策
ここまでは、マンション売却の注意点について紹介してきました。ここからは、これらの注意点を前提にマンション売却を成功させるために有効な対策を5つ紹介していきます。
仲介業者の見極め方を知っておく
マンション売却の仲介業者を見極めるためには、いくつかのポイントがあります。まずは複数の仲介業者に見積もりを依頼し、査定額に加えてその根拠を明確に提示する業者を選ぶことが大切です。根拠の中身も重要です。できるだけ提示した根拠に説得力のあるところを選ぶよう意識しましょう。
マンション売却が得意な業者に仲介を依頼することも重要です。不動産会社にも専門性があり、中にはマンション売却の経験が乏しいところもあります。口コミや業者のホームページなどを参考にして、正しく見極めるよう心がけましょう。
仲介業者の選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。

信頼性の高い情報源から相場を調べておく
売却するマンションの相場を調べる際は、できる限り信頼性の高い情報源を活用することが大切です。具体的には、不動産流通機構が運営しているレインズや国土交通省が提供する土地総合情報システムを活用することをおすすめします。
相場を調べる際には、近隣エリアにある似た物件の売却価格を調査して、適正価格を把握することが重要です。一般的に売却活動から売買契約の締結までおおよそ3ヶ月ほどかかります。したがって、売却するマンションの適正価格は、約3ヶ月ほどで売れる価格だと把握するとよいでしょう。
レインズについて解説した記事は、以下がおすすめです。

過去の売買傾向から売却時期を見極める
納得のいく売却をするためには、闇雲に売却するのではなく売却に適した時期を見極めて売却することが重要になります。
一般的に、1年の中で最も不動産が売れる時期は転勤や新生活を迎える1〜3月です。さらに景気の動向や地域ごとの特性も加味しながら、適切な時期にマンションを売却しましょう。
マンション売却時期について解説したおすすめの記事は、以下のリンクとなります。

内覧前には徹底的なクリーニングをおこなう
マンションの売却に内覧は付き物ですが、内乱をする際は事前にハウスクリーニングなどを使い徹底的に部屋の中を綺麗にすることを心がけましょう。
クリーニングは室内やベランダを始め、トイレやバス、キッチンなどの水回りも丁寧に行うことが大切です。玄関周辺や廊下、エレベーターなども綺麗に掃除するとなお好印象でしょう。
ただし、リフォームなど過度なことは時間やお金が余計にかかるため行う必要はありません。自分たちが無理せずできる範囲内で、最大限のクリーニングを行い内覧を行いましょう。
マンション売却時の掃除や内覧時の対応については、以下の記事がおすすめです。


値下げ期間と最低価格を戦略的に考えておく
マンション売却を成功させるためには、行き当たりばったりではなく計画的に売買活動を進めることが大切です。特に値下げの時期や期間、最低価格の設定は売買の行方を大きく左右するため、事前に綿密に戦略を立てることを心がけましょう。
戦略を立てる際は仲介業者と相談し、いつまでにいくらで売却したいのかを明確にすることが重要です。あまりに早く売ろうとすると、価格を下げ過ぎて利益が少なくなるため気をつけましょう。目安として、販売開始から売却に至るまで3ヶ月の余裕を持ち、臨機応変に売却活動を行うことをおすすめします。
売り出し価格と値引き対策について、以下の記事を参考にしてください。

要注意|マンション売却の仲介契約種類も知っておこう!
マンション売却を成功させるためには、仲介業者選びが重要なポイントになります。売買活動を進める際に仲介業者と仲介契約を交わしますが、ここでは仲介契約の具体的な中身について解説していきます。
仲介業者と結ぶ3種類の媒介契約について知ろう
マンションを売却する際には、買主との仲介に入る不動産業者と仲介契約を交わすのが一般的です。この仲介契約は媒介契約と言い、具体的には以下の3つの種類の媒介契約があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
媒介契約の種類によっては、売却活動においてできることとできないことが変わってくるので契約選びには注意が必要です。
ここからは、3種類の媒介契約それぞれの中身やメリット、デメリットについて紹介していきます。
一般媒介契約
一般媒介契約とは、不動産を売却するにあたり複数の仲介業者と契約を結ぶことが可能な契約です。契約の有効期間は特になく、売主が自ら買主を探して直接売買できます。
また一般媒介契約は明示型か非明示型かいずれかを選ぶことが可能です。明示型だと他にどんな不動産業者と契約しているか、仲介業者に通知する義務が発生します。
なおこの契約は、不動産業者から売主への業務処理報告義務やレインズへの物件登録報告の義務がないため、業者選びは慎重に行う必要があるでしょう。
専任媒介契約
専任媒介契約とは1社の仲介業者しか契約できない契約です。専任媒介契約はマンションの売却が成立すれば必ず報酬を得ることができるため、仲介業者が熱心に売却活動をしてくれる特徴があります。
なお専任媒介契約は一般媒介契約と同様、売主自身が買主を探すことも可能です。契約の有効期間は3ヶ月と決まっており、不動産業者は2週間に1度、売主に業務処理の報告をする義務が課せられます。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は専任媒介契約と同じく、仲介業者1社のみと契約可能な媒介契約です。しかし専任媒介契約のように売主自身が買主を探すことはできません。
専属専任媒介契約の特徴は、売主への業務処理報告義務が1週間に1度ある点です。さらに媒介契約より5営業日以内にレインズへの登録を行う必要があり、専任媒介契約よりも手厚いフォローを受けられます。
各契約種類別のおすすめな人についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。

マンション売却の流れを知っておこう
マンション売却を成功させるためには、実際に売買活動に入る前に売却までの流れを把握しておくことが重要です。
マンションを売却する際は、一般的に以下の流れで手続きを進めていきます。
- 複数社に査定依頼
- 仲介業者と媒介契約を結ぶ
- 売却活動開始
- 購入者が見つかったら引渡し
ここからは、それぞれの手続きの中身について詳しく解説していきます。
1.複数社に査定依頼
マンションを売却することを決めたら、まずは複数の不動産仲介業者に査定依頼を出して査定結果を比較します。
査定依頼を行う際は、同時に複数の不動産会社に依頼できる一括査定サイトを利用するとよいでしょう。査定サイトで指定されたフォームに必要な情報を入力して送信すれば、短時間で効率的に査定を依頼できるため、大変便利なツールです。
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2.仲介業者と媒介契約を結ぶ
複数の査定結果が出揃ったら、その中から特定の仲介業者を選んで媒介契約を結びます。仲介業者を選ぶ際は、提示した査定金額だけでなくレスポンスの速さや対応の丁寧さ、担当者の人柄などを考慮して最も信頼できそうな業者に依頼すると良いでしょう。
先述した通り、媒介契約には3つの種類があります。契約内容によって売主ができることや仲介業者がやるべきことが変わってくるため、慎重に考慮して契約のタイプを選ぶことが大切です。
3.売却活動開始
媒介契約が成立したら、いよいよ売却活動の開始です。売却活動は不動産仲介業者に全て委ねるのではなく、互いにコミュニケーションを取り連携しながら売却活動を進めることが重要なポイントになります。
売却活動の際には、集客や情報収集は仲介業者、内覧の際のクリーニングは売主など明確に役割を分担して進めることを心がけましょう。特に内覧の際は部屋を綺麗にしたり、内覧者から質問されたことに対して丁寧に説明したりなど売主側の努力も必要になります。
4.購入者が見つかったら引渡し
購入者が見つかったら、売買契約を交わします。その際物件の売買価格の数パーセントを手付金として受け取りましょう。
引き渡しは一般的に住宅融資を行う金融機関で行われます。売主と買主、仲介業者や司法書士の立会いのもと必要な手続きを行い、残額が支払われるといよいよ物件の引き渡しです。売買契約から引き渡しまで、約1ヶ月ほどの期間を目安に一連の作業を行います。
マンション売却の基礎知識について解説した以下の記事にも注目です。

マンション売却の際に必要な書類
マンションを売却する際には、さまざまな手続きが行われます。手続きに伴い、多くの書類も必要になるので周到に準備することをおすすめします。
ここでは、不動産仲介業者との契約の際に必要な書類と、マンションの引き渡しを行う際に必要な書類に分けてそれぞれ紹介していきます。
仲介業者との契約時に必要な書類
不動産仲介業者との契約の際に必要な書類は、以下の書類です。
書類名 | 概要 |
登記簿謄本 | 不動産の登記事項が詳しく書かれた登記簿の写し |
物件購入時にもらった売買契約書 | 売主と売買契約を行なった際に交わした契約書 |
物件購入時にもらった重要事項説明書 | 物件の詳細や注意事項、取引条件などの重要事項が記載された説明書 |
登記済権利書 | 法務局が登記名義人に発行した書面であり、登記名義人がその不動産の権利者であることを証明するもの |
土地測量図や境界確認書 | 土地の面積や境界線が記載された書類(売買契約の際に必要) |
物件の図面や設備の仕様書 | 物件の間取りや設備状況の詳細を記載した書面 |
検査済証(建築確認済証) | 当該物件が建築基準法に定められた基準に沿って建築されたものであり、現地での検査に適合したことを証明する書面(一戸建ての売買契約の際に必要) |
建築設計図書(工事記録書) | 物件の設計の中身や、具体的にどのような工事が行われたのかを示した書面 |
マンションの管理規約 | マンションの管理組合が定めた管理規約(そのマンションで生活する際に心得るべき条件などが細かく規定されています) |
耐震診断報告書 | 耐震診断を受けている場合、その診断結果が記載された書類(耐震診断は、主に新耐震基準導入前に中古物件を売買する際に行われます) |
アスベスト使用調査報告書 | アスベストの調査を受けている場合の調査報告書 |
固定資産税納税通知書 | 購入した物件の固定資産税を収めたことを証明する書面(確定申告や、所有権移転登記の際の登録免許税の額を算出する際に必要) |
引き渡し時に必要な書類
マンションの引き渡しの際に必要になる書類は、以下の通りです。
- 運転免許証などの本人確認書類
- 実印と印鑑証明書
- 銀行口座の通帳
- ローン残高証明書(ローン返済予定表など)
以下、それぞれの書類の具体的な中身について解説します。
運転免許証などの本人確認書類
マンションの売主が本人であるか確認する書類です。運転免許証のほか、保険証やマイナンバーカードなどがあげられます。
実印と印鑑証明書
売主の本人確認のために必要になります。なお、所有者が複数いる場合は全員の実印と印鑑証明書が必要になり、印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のものに限ります。
銀行口座の通帳
売主側の銀行口座の通帳です。マンションの売買代金を振り込むために、売主が買主に提示します。
ローン残高証明書(ローン返済予定表など)
ローンの残高を証明する書類であり、債権者である金融機関が発行します。売却するマンションのローンが残っている場合、残りの額を確認するために用意します。
マンション売却時の書類についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。

まとめ
今回の記事では、マンションの売却が失敗するポイントや失敗しないための対策、売却して引き渡すまでの一連の流れや必要な書類について紹介しました。
急いでマンションを売却しようとすると、理想的な買主がなかなか見つからず予想より安く売却せざるを得ない結果になりかねません。
マンション売却を成功させるためには、事前に段取りを組むことが重要です。売却活動時の注意点を把握した上で仲介業者とコミュニケーションを取りながら、丁寧に進めることが大切になります。
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
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