「マンションを少しでも高く売却するためには、リフォームすべきなのか」と悩んでいませんか。マンションをリフォームしてきれいにした方が、価格が上がるようなイメージがありますが、実際はそうとも限りません。しかし一方で、一部のみのリフォームやリフォームプランとともに売却するなどの新たな売り方も出ています。
本記事では、マンション売却におけるリフォームが不要な理由やリフォーム費用の相場、リフォームして売却する際の注意点など解説します。「マンションを売却する際、本当にリフォームが必要なのか」「リフォームすると売却価格が上がる可能性があるのか」と気になっている人は、ぜひ参考にしてください。
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マンション売却前のリフォームは3つの理由で不要
マンションを売却する前は、基本的にリフォームをする必要はありません。売却前のリフォームが不要な理由は次の通りです。
- リフォーム費用の売却価格への上乗せが困難
- 購入してからリフォームしたい人が多い
- リフォームが終わるまで売却を進められない
売却前のリフォームを検討していた人は、なぜ不要なのか、本記事を参考にしてしっかりと理解しておきましょう。
リフォーム費用の売却価格への上乗せが困難
リフォーム内容にもよりますが、マンションのリフォーム費用は、決して安いものではありません。さらに、リフォームにかかった費用を売り出し価格に上乗せした場合、当然、競合物件よりも価格が高くなり、売れにくくなる場合が多いです。リフォーム費用がかかっている以上、相場よりも高く売れないと損をしてしまうことになります。
リフォーム済みが売却に有利に働く可能性もありますが、リフォームをしても中古物件であることに変わりありません。
マンションの価値は内装ではなく築年数で決まる
マンションは、内装がキレイになったとしても、築年数が経っていれば価値が落ちることが一般的です。なぜなら、建物の骨組みである構造体は、リフォーム不可能だからです。築浅物件であれば、中古のマンションでも価値が上がり高く売れる可能性があるでしょう。
以下、築年数別の売却のポイントも紹介しておきますので、売却予定のマンションの築年数と照らし合わせてみてください。
築年数 | 売却のポイント |
5年前後 | 信頼できる不動産会社と契約することで、新築よりも高い価格で売れる可能性あり |
10年前後 | 築浅でダメージが少なく人気を集めやすいが、競合物件に流れてしまわないように、強気な価格設定を避ける |
15年前後 | 大規模修繕工事の有無により、売却価格に影響あり |
20年前後 | 築25年を超えると、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)が適用されないため、早期の売却がおすすめ |
30年前後 | 年数が経っているため人気は低いが、1981年以降の「新耐震基準」で建てられていれば、震度6以上の地震に耐えられる構造なので、買主を見つけられる可能性あり |
築年数ごとの売却ポイントについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

購入者自身でリフォームしたい人が多い
中古マンションの購入を検討している人は、リフォームすることを前提にしていることが多いです。自分のこだわりや理想を反映した内装に変えたい人も少なくありません。
こうした理由により、リフォーム済みの場合は買い手のニーズに合わず、検討対象外になってしまう可能性もあるでしょう。購入者自身でリフォームしたい人が多いと認識しておくことは重要です。
リフォームが終わるまで売却を進められない
部分的なリフォームなら実際の工事は数日ですが、フルリフォームとなると設計も含めて半年以上かかる場合があります。リフォームをしていると、不動産会社は正確な査定や購入希望者の内覧などはできません。
よほど計画的に工事を始めない限り、希望していた時期よりマンションの売却が遅れ、売却を急いでいる人にとってはデメリットにしかならないです。売却で得たお金で新居の購入を予定していると、新居選びにも支障が出てしまいます。
リフォームをしてマンション売却に成功するケース
「マンションを売却する前に、リフォームは絶対にしてはいけない」というわけではありません。フルリフォームではなく一部リフォームをすることで、マンションの印象をアップさせ、売却が有利になる可能性もあります。また、中古物件を購入後、すぐに新生活を始めたい人のニーズも少なくありません。
ここではリフォーム後のマンション売却で成功する2つのケースについて、詳しく解説をしていきます。
不動産会社と相談してからマンションのリフォーム
リフォームするかどうか迷った時は自己判断せずに、中古マンションの販売を得意としているプロの不動産会社に相談することをおすすめします。複数社の意見を聞き、参考にすることも大切です。
リフォームする・しないだけではなく、売却に関連することは不動産会社に相談しておきましょう。以下の表で優良不動産業者を選ぶポイントも紹介しておきますので、参考にしてください。
優良不動産業者を選ぶポイント | 詳細 |
免許番号をチェックする | 免許番号を確認することで、不動産業者の信頼度を確認できる |
売主の要望も聞いてくれる | 売却プランを押し付けようとする場合、魅力的に感じても、売却に成功する保証はない |
ネガティブな情報をチェックする | 行政処分を受けたことのある業者なのか、国土交通省の「ネガティブ情報等検索システム」から確認できる |
売却が得意なのか見極める | 仲介で売却を検討するなら媒介業者、買取を希望するならば買取再販業者を選択する |
売却戦略が納得できる内容なのかチェックする | 正確なスケジュール提示してくれない場合、もしくは戦略性が乏しい場合、信頼度は低い |
高額な査定結果だけの不動産会社選びは避ける | 不動産業者が顧客を確保するために、あえて高額査定を出す可能性もある |
基本はマンション査定を複数社で受ける | 業者によって100万円単位でバラつくこともあり、複数社で比べることで、損するリスクを回避可能 |
中古リフォームプランでマンションを売却
中古リフォームプランとは、売買契約に至った場合に買主の希望に沿ってリフォームを実施する売却方法です。この売却方法であれば、過剰投資や先行投資のリスクがなく、売主と買主の双方が魅力的に感じられるでしょう。
また、中古マンションをリフォームせずに売却するよりも高く売れる可能性も秘めています。さらに、プランのバリエーションを増やすことで買主のさまざまなニーズにも応えられます。
マンションのリフォーム費用の相場
マンションのリフォーム費用は、リフォームする場所や内容によって変わります。以下の表は、マンションのリフォーム費用の相場です。
場所 | 費用 |
壁紙の張替え | 20~40万円程度 |
床材の張替え | 20~40万円程度 |
キッチン | 10~150万円程度 |
トイレ | 10~50万円程度 |
洗面所 | 20〜50万円程度 |
浴室 | 50~150万円程度 |
壁紙や床材の張替えは、素材によって価格が大きく異なります。量産されている白いクロスとフローリングであれば、安い費用でリフォームできるでしょう。
キッチンは、種類や機能によって費用がかなり違います。高機能なシステムキッチンの場合、人気はありますが高額になる可能性が高いです。
トイレは新しいものに交換にするだけの場合、それほど費用はかかりませんが、「和式」から「洋式」というように様式を変更する場合、50万円程度かかる可能性もあります。
洗面所や浴室も、リフォーム内容によって費用が大きく異なりますので、リフォームする場合は、業者に価格の詳細を確認しておきましょう。
マンションをリフォームして売却する際の注意点
リフォームしてマンションを売る際の注意点は、以下の3つです。
- 売却前のリフォームは譲渡所得税の節税ができない
- リフォーム予算を決めないと損をする可能性
- 独自色の強いリフォームは買主が見つからない
「リフォームを失敗したくない」「できるだけ損をしたくない」という人は、参考にしてください。
売却前のリフォームは譲渡所得税の節税ができない
マンションを売却して利益が出た場合、譲渡所得税がかかります。課税される譲渡所得の計算式は、次の通りです。
課税譲渡所得に決まった税率を乗じたものが「譲渡所得税」です。つまり、売却価格から差し引かれる額が多く、課税譲渡所得が少なくなるほど、譲渡所得税も安くなります。
譲渡費用は不動産を売るために支出した費用のことです。そのためマンション売却前のリフォームは譲渡費用にならず、買主からの要請でのリフォームなら譲渡費用に認められる可能性があります。マンション売却で成功するためには、税金関連についての知識も必要です。
マンション売却にかかる税金や節税対策について、詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

リフォーム予算を決めないと損をする可能性
リフォーム費用をかけすぎると売値も高くなってしまい、売却できない可能性があります。そのため、最初にリフォーム費用の予算を決めて、損にならないよう意識しましょう。
目安としては、30~50万円程度に抑えておくことをおすすめします。100万円以上の費用をかけてリフォームしても、それだけのメリットがあるのかわかりません。損にならない程度で、リフォームすることを心がけましょう。
独自色の強いリフォームは買主が見つからない
リフォームはやり過ぎてしまうと、購入希望者が減る可能性もあります。例えば、壁紙を張り替えるリフォームの場合、アクセントクロスなど自身の趣味が出るようなデザインを選ぶことは避けましょう。リフォームは、シンプルかつメンテナンスしやすいものを選ぶことが重要です。売主の趣味を反映させないように意識しましょう。
リフォームよりおすすめな高く売却するポイント5選
マンションを高く売却するために、リフォームよりもおすすめの方法を5つ紹介していきます。
- 室内を清潔にする
- 室内の小さな傷は自力で簡易修繕
- 内覧で購入希望者の不安要素を解消
- ホームインスペクションで価値を高める
- 売却するマンションで一括査定を受ける
リフォーム費用をかけるよりもコストを抑えられる可能性があるため、無駄な出費を抑えたい人は参考にしてください。
室内を清潔にする
マンションの部屋の中を清潔にすることで、購入希望者に好印象を与えられます。室内の物を減らして明るくし、消臭するだけでも印象は異なるでしょう。
室内は物を減らし明るくする
マンションの内覧で印象を良くするためには、部屋を明るくしましょう。そうすることで部屋全体の印象が良くなります。点灯しない照明器具がある際は、交換することもおすすめです。また、部屋全体を白基調にすることで、清潔で明るい印象にもなります。
さらに、物を減らすことで部屋が広く見えます。特に床にある物を減らすと広々した印象になるでしょう。そのため内覧前に、レンタル倉庫に一時的に物を移動させたり、不要な物は処分したりすることも重要です。
室内の消臭を行う
室内を整理整頓し、明るく見せるだけではなく、消臭することも重要です。部屋の臭いは、住んでいる人にとっては気づきにくいですが、内覧する人にとっては気になるかもしれません。靴の臭いが気になる人向けに、シューズクローゼットなどもしっかりと消臭する必要があります。
特にタバコやペットの臭いには、気を遣いましょう。消臭する際は、ファブリックの洗濯をする、もしくは、消臭スプレーなどを用いることがおすすめです。また、内覧前に換気することも大切です。
汚れがひどい場合はハウスクリーニング
室内の掃除は自力で綺麗にできるならベストですが、汚れがひどい場合はハウスクリーニングを利用しましょう。特にキッチンやバス、洗面所などの水回りは、チェックされやすいポイントです。かかる費用は場所ごとに以下のようになっています。
クリーニングをする場所 | 費用の相場 |
トイレ | 6,000~10,000円程度 |
浴室 | 10,000~18,000円程度 |
キッチン | 10,000~20,000円程度 |
洗面所 | 7,000~10,000円程度 |
レンジフード・換気扇 | 7,000~12,000円程度 |
業者によっては、お得なパック料金でさまざまな場所をクリーニングしてくれるプランもあります。ハウスクリーニング業者を選ぶ際は、掃除の質やスタッフの対応と料金を確認しておきましょう。スタッフの対応を重視するのであれば、無難に大手の業者が良いでしょう。
またマンションの場合、共有部分の掃除を忘れないでください。エントランスやエレベーターなど掃除することで、印象が良くなるでしょう。少なくとも、部屋の玄関前だけでも掃除しておくことをおすすめします。
室内の小さな傷は自力で簡易修繕
壁や障子に穴が空いていたり、畳の傷みがひどかったりすると、マンションを大切に使っていない雰囲気があり印象が良くありません。室内の状態が良くない場合は買主から値引き交渉される可能性もあるため、簡易な修繕で対応しておきましょう。簡易修繕にかかる費用相場は、以下の通りです。
項目 | 費用相場 |
壁紙の張替え | 1,000円/平方メートル |
障子の張替え | 2,000円/1枚 |
畳の張替え | 1,000万円/1枚 |
ドアの修繕 | 50,000円/1枚 |
給湯機の修繕 | 20,000円 |
簡単な傷などであれば自身で修復可能ですが、ひどい傷の場合は業者に依頼することをおすすめします。
内覧で購入希望者の不安要素を解消
購入希望者は内覧で、売り出し広告からだけでは分からない部分を確認しようとします。質問されたことには正直に答え、不安要素を解消できるようにしましょう。予め不動産会社の担当と相談をし、想定される質問に対する答えを用意しておくと、スムーズに対応できます。
さらに購入希望者の要望に合わせて、マンションの長所もさりげなくアピールすると、成約につながりやすくなります。
内覧で自身が不利にならないよう、不確かなことは口約束をしない方がよいです。予定していた範囲の値下げ交渉に応じる程度なら問題ないですが、家族の判断が必要なことを勝手に約束していると、簡単に反故することはできないです。
内覧の対応や注意点についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

ホームインスペクションで価値を高める
マンションを高く売却するために、ホームインスペクションして価値を高める方法もあります。
ホームインスペクションとは建物状況調査のことです。ホームインスペクションによって外壁などの劣化状況や補修箇所を住宅診断士が調査して、客観的にアドバイスしてくれるため、買主が安心してマンションを購入できる可能性がアップするでしょう。
ちなみに、2018年4月より中古住宅のインスペクションの説明が義務化されています。ホームインスペクションは、依頼する不動産会社によっては無料で行ってくれるケースもありますので、調べておきましょう。
本格的にマンション売却を検討している人は、インスペクション費用以外も理解しておくことをおすすめします。詳細を以下の表でまとめましたので、参考にしてください。
仲介でかかる費用 | 詳細 |
登記関連費用 | 抵当権の抹消費用および申請のために必要かもしれない司法書士手数料 |
印紙税 | 契約を結ぶ売買契約書に必要な税金 |
仲介手数料 | 取引額×3%+6万円などが必要 |
固定資産税精算金 | 固定資産に対して納める税金 |
その他 | 所得税や住民税、復興特別所得税が生じる可能性あり |
ホームインスペクションのメリットデメリットについて、詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

売却するマンションで一括査定を受ける
売却するマンションは、全く同じ条件のものが存在しないため定価がありません。価格は自身と相手が同意できさえすればいくらでも問題がなく、相場を把握できていないと安く売却してしまうことがあります。不動産会社によっては、相場より安く査定をするところもあり、複数社を比較することが重要です。
一括査定なら、最寄りの不動産会社を探す必要がなく、一度の情報入力で複数社に査定依頼を出せます。一括査定が可能なサイトは数十もあり、大手の不動産会社でも全てのサイトに登録されているわけではないです。利用するところも厳選して一括査定を受けましょう。
おすすめの一括査定サイトは「すまいステップ」

- 初めてで不安だから実績のあるエース級の担当者に出会いたい
- 厳選された優良不動産会社のみに査定を依頼したい
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その他の一括査定サイトや選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

まとめ
基本的にマンション売却前のリフォームは不要です。なぜなら、リフォームをしてもマンションの価値はあまり上がらず、購入者自身でリフォームしたい人が多いからです。どうしても売却前にリフォームしたい人は、不動産会社に相談するのがベストでしょう。相談することで、中古リフォームプランを付ける新たな売り方も見つけられます。
マンションをリフォームして売却する際の注意点はリフォーム費用が譲渡費用にならないので譲渡所得税が高くなる場合があることです。また、リフォーム予算を決めて損にならないようにして、無難なデザインを選択することもおすすめです。
いずれにしてもマンション売却前のリフォームは、不動産会社にまず相談してみることをおすすめします。
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
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