アポロ蚈画以来、玄半䞖玀ぶりの有人月着陞を目指しお始動した、NASAの「アルテミス蚈画」。

連茉第1回では、蚈画の抂芁ず、珟時点で怜蚎されおいる宇宙船の開発や打ち䞊げなどの予定に぀いお玹介した。

このアルテミス蚈画では、NASAだけでなく、米囜を䞭心ずする民間䌁業も倚数参加し、ずくに月ぞの着陞に䜿う月着陞船ずいう、最も重芁な"舞台装眮"も、民間䌁業が開発するこずになっおいる。民間が参加する意矩、メリットはどこにあるのだろうか。

  • アルテミス蚈画

    アルテミス蚈画においおは、月ぞ芳枬機噚などを運ぶ無人着陞機のほか、宇宙飛行士が乗る月着陞船の開発、運甚で民間䌁業が重芁な䜍眮を占める (C) NASA

月着陞船を開発するのは民間䌁業!

有人月着陞を実斜するにあたっお、最䜎限必芁ずなるのは、ロケットず宇宙船、そしお月面に着陞するための月着陞船である。

前回觊れたように、

アルテミス蚈画においおは、ロケットは開発䞭の「スペヌス・ロヌンチ・システム(SLS)」を、宇宙船はやはり開発䞭の「オラむオン」を䜿う。ずころが、珟時点でNASAに月着陞船は存圚しない。

しかしその代わりに、じ぀は米囜の民間䌁業が月着陞船の開発を進めおいる。

NASAはかねおより、「民間にできるこずは民間に任せる」ずいう方針のもず、2000幎代から宇宙開発のアりト゜ヌシングを進めおきた。たずえば、囜際宇宙ステヌション(ISS)ぞの物資や宇宙飛行士の茞送においおは、「COTS(Commercial Orbital Transportation Services)」ずいう、民間䌁業に開発資金や技術を提䟛し、ロケットや補絊船、宇宙船を開発させ、完成埌はNASAが運賃を支払っお利甚するずいう蚈画を実斜。その結果、むヌロン・マスク氏率いるスペヌスXをはじめ、民間による宇宙ビゞネスが掻性化し、珟圚に至っおいる。

  • スペヌスX

    いたをずきめく宇宙䌁業スペヌスXは、NASAによるCOTS蚈画が、その躍進の远い颚ずなった (C) NASA

その成功を受けお、NASAは2015幎に「ネクストSTEP(Next Space Technologies for Exploration Partnerships)」ず呌ばれる蚈画を始動。ISSより先の、月や火星などの深宇宙に行ったり、そこで宇宙飛行士が滞圚したりずいった、たさしく"次のステップ"に挑むための技術開発や実際の運甚を、民間に任せる方針を打ち出した。぀たりCOTSでの成功を、月でも再珟しようずいうのである。

さらにNASAずは関係なく、「グヌグル・ルナヌ・Xプラむズ(GLXP)」に代衚されるように、民間独自での月探査掻動も芜生え始めた。GLXPそのものは勝利者なしで終了ずなったが、参戊しおいたチヌムはその埌も独自に掻動を続け、今幎はじめにはむスラ゚ルから参加しおいた「スペヌスIL」が、実際に月着陞機を打ち䞊げるなど、民間でも月探査、月着陞が可胜であるこずが瀺された(残念ながら着陞自䜓は倱敗に終わった)。

こうした流れを背景に、NASAは2018幎12月、NextSTEPの䞀環ずしお、民間に有人の月着陞船の蚭蚈、開発を呌びかけた。ちなみに、このずきの条件の1぀に「再䜿甚可胜なこず」ずいう項目が蚭けられおおり、アルテミス3は別ずしお、将来のアルテミス蚈画においおは、月着陞船を再䜿甚し、䜕床も月着陞を行うこず、そしおそのコストをできる限り抑えるずいう意図が芋お取れる。

これに察しお、いく぀かのメヌカヌが提案を出し、今幎5月17日には11瀟が遞ばれた。そのなかには、倧手メヌカヌのボヌむングやロッキヌド・マヌティンのほか、スペヌスXや、ゞェフ・ベゟス氏率いるブルヌ・オリゞン、さらにベンチャヌ䌁業のオヌビット・ビペンドなども含たれおいる。この11瀟には総額4550䞇ドルの賞金が分け䞎えられた。たた、各瀟は総事業費のうち最䜎でも20%を拠出するこずが矩務付けられおおり、皎金の投入額を抑えるほか、宇宙産業ぞの民間からの投資を促進する狙いがある。

遞ばれた11瀟は、それぞれ埗意ずする分野を掻かし、月着陞のかなめずなる降䞋段のほか、ゲヌトりェむず月面を埀埩するためのシステムや、たた機䜓を再䜿甚するために必芁ずなる軌道䞊での掚進剀の補絊システムなどを開発する。

各瀟の構想はあたり明らかになっおいないが、そのなかでもブルヌ・オリゞンは、ネクストSTEPの遞定結果が発衚になる前の5月9日に、自ら開催した蚘者䌚芋においお、「ブルヌ・ムヌン」ず名づけた月着陞機をお披露目した。これは明らかに、NASAず、そしおトランプ政暩ぞのアピヌルだったずいえよう。

参考:月着陞機を発衚したAmazon創業者のベゟス氏は、䞀䜓䜕を目指しおいるのか

最終的に䜕瀟が遞ばれ、どのメヌカヌがどの郚分を担圓するかはただ未定で、これから各瀟による開発競争が激化するこずになろう。

  • 月着陞船

    米囜の民間䌁業ブルヌ・オリゞンが開発しおいる月着陞船の想像図 (C) Blue Origin

無人探査機による露払いも民間が担圓

アルテミス蚈画ではたた、有人月探査に先立っお行われる、無人の月探査においおも、民間を掻甚する方針が瀺されおいる。

この蚈画は「商業月ペむロヌド茞送サヌビシズ(CLSP:Commercial Lunar Payload Services)」ず呌ばれ、民間䌁業がNASAからの発泚を受け、運賃を受け取るのず匕き換えに、科孊機噚や氎の採掘装眮などを月たで送り届けるこずを目指しおいる。これもたた、COTSの成功䟋にならったものずみるこずができよう。

このCLPSを担う䌁業ずしお、たず2018幎に、米囜䌁業9瀟が候補ずしお遞定された。そのなかには、か぀おGLXPに参戊しおいた「アストロボティック(Astrobotic)」や「ムヌン・゚クスプレス(Moon Express)」が含たれおおり、たたむンドから参戊しおいた「チヌムむンダス(TeamIndus)」は、米囜䌁業「オヌビット・ビペンド(Orbit Beyond)」に参画。日本チヌムのHAKUTOを運営しおいたispaceも、米囜の研究団䜓「ドレむパヌ・ラボラトリィ(Draper Laboratory)」に参画するなど、GLXPの残光を色濃く残した顔ぶれずなった。

参考:「ispaceのチヌムがNASA CLPSプログラムに採択、民間月面探査が本栌化ぞ」

そしお今幎6月1日、NASAはこのなかから、最初のミッションを発泚する䌁業ずしお、アストロボティックずオヌビット・ビペンド、そしお「むンテュヌむティノ・マシヌンズ(Intuitive Machines)」の3瀟を遞んだず発衚した。このうちアストロボティックずむンテュヌむティノ・マシヌンズの2瀟は2021幎7月たでに、オヌビット・ビペンドは2020幎9月たでに、それぞれ月面の指定の堎所ぞ、NASAの機噚・装眮を送り届けるこずになる。

なお、「最初の」ずなっおいるように、NASAでは今埌もCLPSは継続しお行い、そしおその郜床新たな入札、契玄を行う予定だずいう。今回遞ばれた䌁業はもちろん、他の䌁業も、次は遞定のチャンスがあるかもしれない。

  • 米囜の民間䌁業が開発しおいる、月に芳枬機噚や物資などを送り届けるための月着陞機。巊から、アストロボティック、むンテュヌむティノ・マシヌンズ、オヌビット・ビペンド (C) NASA,A民間月着陞船

(次回に続く)

出兞

・NASA Taps 11 American Companies to Advance Human Lunar Landers | NASA
・NASA Selects First Commercial Moon Landing Services for Artemis | NASA
・NASA Selects Experiments for Possible Lunar Flights in 2019 | NASA
・NASA Announces New Partnerships for Commercial Moon Deliveries | NASA
・Blue Origin | Blue Moon

著者プロフィヌル

鳥嶋真也(ずりした・しんや)
宇宙開発評論家。宇宙䜜家クラブ䌚員。囜内倖の宇宙開発に関する取材、ニュヌス蚘事や論考の執筆などを行っおいる。新聞やテレビ、ラゞオでの解説も倚数。

著曞に『むヌロン・マスク』(共著、掋泉瀟)があるほか、月刊『軍事研究』誌などでも蚘事を執筆。

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