英オックスフォード大学は4月23日(英国時間)、開発中の新型コロナウイルス向けワクチン「ChAdOx1 nCoV-19」をヒトに投与する臨床試験を開始したことを発表した。

同ワクチンは弱毒化したアデノウイルスベクター(ChAdOx1)を元に作られ、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が細胞膜の受容体(ACE2受容体)に結合したあと、ヒトの細胞への侵入を開始するために使用されるSpikeタンパク質(Sタンパク質)を人間では成長できないように遺伝的に組み替えたもの。そのため、接種することで、SARS-CoV-2ウイルスがヒト細胞に侵入することを防いだり、侵入した際の免疫応答を体に先に覚えさせることで重症化を防ぐことなどが期待される。

試験参加者は18~55歳の健康な男女、約1100名超ほどで、すでに320人以上に投与を実施。また、試験開始から4週間おきに2回投与するグループもあるという。参加者の半数に当該ワクチンを接種し、残りの半数には比較のために髄膜炎菌結合型ワクチン(MenACWY)が投与され、比較が行われることとなる。

なお、ワクチンの効果を判定するためには数カ月後の2つのグループを比較する必要があり、その期間は当該地域の感染レベルによってことなり、感染者が少ない場合は最大で6カ月ほどかかる可能性があるとしている。