IFMIF原型加速器とは何か?

IFMIF原型加速器を見ていこう。原型とあるように、IFMIF加速器の工学実証を行なうもので、部分的に構築したものだ。IFMIF加速器自体は、ふたつの重陽子線形加速器、液体リチウムターゲット、照射設備からなる。

  • 六ヶ所核融合研究所

    IFMIF原型加速器の模型。SSGSSゴジータから魔人ブウに向ける形で説明があった。子供に解説する際に伝えやすいほか、ドラゴンボールは万国共通認識であり、海外からの見学対応時にも重宝しているそうだ

  • 六ヶ所核融合研究所

    実機。取材時は上記模型でいう緑色のモジュールはない状態。同モジュールは超伝導加速器になり、今後、実装される

原型加速器は入射器からビームダンプまで36mの加速器になり、世界最長9.8mのRFQ(高周波四重極加速器)が特徴的であり、125mAの重陽子ビームを高周波電場で収束しながら加速すると重要な部分でもある。

また8系統高周波源をシンクロ・フィードバッグ制御することで、1600kWの大電力供給も実現。このシンクロ・フィードバッグ制御システムは、CERNで開発された高精度時刻同期時技術とFPGAを融合し、8系統の出力と位相のシンクロ・フィードバッグ制御用として開発されたもので、100億分の1秒でのシンクロを実現している。開発はスペインエネルギー・環境・科学技術研究センターが担当。

  • 六ヶ所核融合研究所

    RFQは18モジュールからなり、据え付け精度は100μm。RFQはイタリア国立核物理研究所が担当。据え付けにあたり、レーザートラッカーとアルゴリズムを使用した

  • 六ヶ所核融合研究所

    3Dプリンタで出力されたRFQのミニチュア。許容誤差30μm/許容粗さ1μmの精度で加工された4枚の水冷式ベーンを許容誤差50〜100μm精度でロウ付けしたとのこと

  • 六ヶ所核融合研究所

    開いている空間に、超伝導加速器が実装される

  • 六ヶ所核融合研究所

    ビームダンプは分解された状態だった

  • 六ヶ所核融合研究所

    ビームダンプ

  • 六ヶ所核融合研究所

    レーザートラッカーが設置されていた

  • 六ヶ所核融合研究所

    ビームダンプ前は遠隔操作で開閉可能

  • 六ヶ所核融合研究所

    入射器。上部の形状が印象的だが、性能を求めた結果だそうだ。「六」っぽいビジュアルでもある

  • 六ヶ所核融合研究所

    電源との接続部にある黒いパイプの一部は自作とのこと。地下を経由して8系統高周波源に繋がっている

  • 六ヶ所核融合研究所

    とてもカワイイ

  • 六ヶ所核融合研究所

    8系統高周波源などがあるルーム

  • 六ヶ所核融合研究所

    1系統あたりがゴツい

  • 六ヶ所核融合研究所

    ヘリウムリサイクルシステムも確認できた

  • 六ヶ所核融合研究所

    シンクロ・フィードバッグ制御システム

  • 六ヶ所核融合研究所

    製作中の超伝導加速器。組立は六ヶ所核融合研究所で行なわれているが、組立を担当するのはBA活動の欧州実施機関F4E(Fusio for Energy)

  • 六ヶ所核融合研究所

    超伝導加速器が格納されるクライオスタット