Applied Materials(AMAT)は11月8日(米国時間)、カスタマによる新材料やプロセス技術、デバイス試作を加速させることを目的とした「マテリアルズ エンジニアリング テクノロジー アクセラレーター(METAセンター)」を開設したことを発表した。

同センターは、米国ニューヨーク州アルバニーのニューヨーク州立工科大学(State University of New York Polytechnic Institute:SUNY Poly)キャンパス内に設置されており、クリーンルームではカスタマやパートナーが最先端のプロセス装置を活用し、研究から製造までの期間短縮に向けた取り組みが進められることとなる。

この背景には、ムーアの法則の限界を迎えつつある半導体製造において、さらなる高性能化を実現するべく、新材料の活用や、新たなプロセス技術の投入などを進めていく必要があるが、それを実現できる製造装置を新たに開発する必要がある。同センターは、カスタマやパートナーと同社が協力してそうした取り組みを進める拠点として設立されたもので、チップ性能の向上はもとより、低消費電力化や製造コストの削減などにつながるさまざまな方法の開発が進められることとなるという。

AMATはこれまでもシリコンバレーに次世代半導体製造の実現に向けた研究所「メイダン テクノロジーセンター」を有しているが、今回のMETAセンターを同じシリコンバレーではなく、SUNY Polyに設置されている。これは、もともとSUNY Polyが長年にわたって、さまざまな企業や団体の研究拠点となってきたこともあり、先端半導体研究のエコシステムが構築されていることが挙げられ、新たなパートナーシップにより、メイダン テクノロジーセンターならびにシンガポールにあるAdvanced Materials LabとAdvanced Packaging Development Centerの役割を補完していくと同社では説明している。

なお、METAセンターでは、新材料やデバイス構造、プロセスなどの評価を技術者が行うほか、先端の試作生産環境を活用することで、量産プロセスの実用化に向けた準備研究などが進められることとなる予定。すでに、同センターにて、IoT機器向けに低消費電力かつ高密度化された新型MRAMの評価が進められているという。

  • METAセンター

    METAセンターのクリーンルームの様子