環境省は24日、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの2016年度の排出量は、CO2換算で前年度比1.2%減の13億700万トンだったと発表した。同省は昨年12月に「速報値」として13億2,200万トンという数字を発表したが、今回は「確報値」。3年連続減少で、同省は太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの導入拡大や省エネの普及、一部の原発の再稼働などが要因としている。

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    図 日本の温室効果ガス排出量(2016年度確報値)(環境省提供)

確報値は気候変動枠組み条約の事務局に提出する公式の値。地球温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」で日本は、30年度の排出を13年度比26%減らす目標を掲げている。「13億700万トン」という数字は13年度比では7.3%減。3年連続減少にはなったものの、16年度確報値は目標達成へ一層の排出量削減努力が必要であることを示している。また、05年度比では、5.2%の減少に留まった。

温室効果ガスの大半を占めるCO2排出量を16年度実績でみると前年度比で1.6%減だった。排出部門ごとの排出量は、産業部門(工場など)は2億9,900万トンで前年度比4.9%減少。運輸部門(自動車など)は2億700万トンで、同0.9%減少した。一方、家庭部門は5,570万トンで、0.6%の増加。エネルギー転換部門(発電所など)は5億700万トンで同6.9%増加した。

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